- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府大阪市東淀川区
- 広報紙名 : 広報ひがしよどがわ 令和8年2月号
区内で入院設備のある4つの病院。その地域連携スタッフに、各病院での入退院時のサポートなどについてお話を伺いました。
■淀川キリスト教病院〔急性期病院〕
(左)木田 朋子(きだ ともこ)さん(看護師)
(右)宮田 亜紀(みやた あき)さん(医療ソーシャルワーカー)
▽年間約1万件の救急搬送に対応 入院後は迅速に退院支援を開始
病気だけでなく「人」を診る「全人医療」を実践し、最先端で高度な医療機器を備えた、東淀川区唯一の「地域医療支援病院」として、年間1万件にせまる救急搬送にも対応しています。また、「総合患者支援センター」を相談窓口とし、地域包括ケアシステムにおいて在宅医療の後方支援も行っています。
急性期病院では平均10日前後という短い入院期間の中で、迅速かつ的確な退院調整が必要になるため、患者さんの生活状況を早急に把握し、入院後3日以内に多職種会議で退院に向けた課題を抽出します。親族がいない、または連絡がとれない患者さんは、ケアマネジャーや訪問看護師など地域と連携して情報を共有します。在宅療養に向けて、必要であれば訪問看護や訪問診療について紹介・調整することも。施設入居や転院の場合は、患者さんやご家族の要望と受け入れ先のサービスが合致するか、施設の種類や距離などを含めて慎重に見極めます。看護師は医療的側面、医療ソーシャルワーカーは生活・介護的側面から支援し、退院後も地域で安心して暮らせるよう寄り添います。
■淀川若葉会病院〔療養型病院〕
(左)阿江 美帆(あえ みほ)さん(看護師)
(右)香川 沙織(かがわ さおり)さん(看護師)
▽「主体は患者さん」を忘れずに 長期入院後の不安を見据えて支援
急性期の治療を終えられた患者さんで、機能回復が難しく療養が必要な方を受け入れています。回復状況に合わせて約3か月〜6か月といった長期入院にも対応しています。自宅や入居施設で誤嚥(えん)性肺炎や感染症を起こされ、急性期を脱したものの、経口での食事が難しい方などに、看護師常駐の病室で安心して療養いただきます。
「地域連携室」では多職種が連携を取りながら退院に向けてサポート。患者さんとご家族の意向を尊重し、自宅や施設へ戻る支援や、それが難しい場合は受け入れ可能な施設や転院先を探します。患者さんが意思表示しづらい時も、ご家族だけでなく、何よりまずは本人の意思を大切に。食事介助が必要な場合は、私たち退院調整看護師から病棟看護師やリハビリ担当者に、食事中の様子などをかなり細かくヒアリングし、退院後の適切な介護につなげます。
直前まで元気だった方が、入院後に寝たきりの状態になってしまう場合も多く、ご家族や周囲との日頃からのACP(人生会議)の意義も痛感する日々です。それぞれの選択ごとに生じる悩みと向き合い、不安払拭のために最善を尽くします。
■淀川平成病院〔回復期病院〕
(左)守田 麻由美(もりた まゆみ)さん(看護師)
(右)木原 志穂(きはら しほ)さん(社会福祉士)
▽自分らしさを支えるリハビリを実践
当院は、治療がひと段落したあとに「継続的治療と体力や生活能力を回復するためのリハビリテーション病院」で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など70名以上のリハビリスタッフが在籍しています。主に急性期病院での治療や手術を終えた患者さんを受け入れ、「できるだけ早く自宅や元の生活に戻ること」を目標に、多職種が連携し治療方針や退院支援について話し合います。入院中は、体を動かすリハビリテーションだけでなく、「食べること」も回復の大切な要素。管理栄養士が一人ひとりの体調や食べる力、好みに配慮し、リハビリの進み具合に合わせた食事を工夫することで、体力の回復や意欲の向上を支えます。また、趣味を取り入れた活動や、病衣ではなく普段のおしゃれ着に着替えての運動療法など、前向きな気持ちで取り組める工夫も大切にしています。
さらに当院では訪問リハビリにも注力し、退院後の生活環境に合わせてリハビリスタッフがご自宅を訪問し、「その人らしい日常」を取り戻す支援を行っています。「退院がゴールではなく、その先の生活がスタート」。その思いを大切に、入院から在宅までの切れ目のない支援を行っています。
■成仁会病院〔急性期・療養型病院〕
(左)清水 れいか(しみず)さん(看護師)
(右)市川 美恵(いちかわ みえ)さん(医療ソーシャルワーカー)
▽グループとの連携を大切に一貫したケアで在宅療養を支援
当院は、急性期と慢性期の双方の医療を提供する「ケアミックス病院」です。大きな手術の必要がない急性期の患者さんから、回復期・慢性期の患者さんへの医療、そして在宅復帰支援までを含む一貫したケアを提供します。地域のかかりつけ医からの救急入院要請にも対応し、60床と小規模ながら、手厚く柔軟な支援で地域医療への貢献に努めています。
退院支援においては、当院のグループ施設である訪問看護ステーションや、サービス付き高齢者向け住宅などと連携した医療・介護サービスの提供も強みです。必要に応じて、訪問診療担当の医師につなぎ、看護師とともに自宅や施設に出向き診療を行います。「救急車を呼ぶほどではないけど診てほしい」といった際に緊急で往診に伺い、複数疾患を抱える方や、病状が不安定な方に寄り添います。退院後も、いざという時に戻れる入院先として頼っていただき、住み慣れた場所で安心して生活いただければと思います。また、ご家族など介護者のご事情で一時的に介護が困難になった際の「レスパイト入院」にも対応するなど、地域包括ケアシステムの中で、患者さんごとの最適解を探す支援を続けていきます。
■入退院〜在宅医療のながれ
病院では、退院後も必要な医療やケアを継続して受けていただくため、地域の関係職種への情報提供を行う場合があります
▽急変した場合
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入院
・介護サービスなどを受けている場合には、連携をしていきます。
・介護や経済面など、心配なことがあれば、医療ソーシャルワーカーや看護師にご相談ください。
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治療
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退院の準備
・在宅医療で利用できる制度やサービスについて、医療ソーシャルワーカーや看護師がご説明します。
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退院前の話し合い
・在宅療養で利用するサービスの内容について、具体的に決めていきます。
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退院
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在宅療養
・在宅では、さまざまな専門のスタッフがサポートします。
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急変した場合
