くらし 特集2 知ってる?図書館のDX化

読みたくなったらどこでも図書館

図書館は赤ちゃんからお年寄りまで、すべての市民のみなさんの豊かな暮らしと、よりよく生きることを本などの「資料提供」を通して支える場です。市内には、図書館に加えて8つの公民館図書室があり、「市民の求める資料・情報に応える図書館」「市民の生活に役立ち、地域の課題解決に役立つ図書館」を目標に掲げ、生涯学習の推進に取り組んでいます。今回は市民のみなさんに利用してもらえるさまざまなデジタル技術を使ったサービスを紹介します。

■時代に合わせて進化する図書館
図書館がキックス内に開館してから20年以上が経ちました。公民館図書室・自動車文庫を含めた、図書館全館の蔵書数は51万2877冊(うち、児童書14万9033冊)で、図書館単館のみの蔵書数43万1678冊は南河内最大を誇ります(令和7年3月末時点)。
図書館と聞くと、現地で書籍を探し窓口で借り、後日返しに行くイメージの人も多いのではないでしょうか。本市の図書館では、デジタル技術とデータを活用したDX化を進めています。来館しなくても書籍を読める電子図書館、図書館で契約する各種オンラインデータベースを検索・印刷もできるサービスなどを実施し、DX化が進む世の中に合わせて進化しています。

■interview 図書館利用者にインタビュー
高校生の堂前さん(写真上)

幼稚園のとき、母に連れられて参加した「おはなしのへや」でのおはなし会が好きでした。暗い部屋にろうそくが灯る中や、はじまりの鈴の音の余韻が残る中で読んでもらうと、絵本の中に入ったような没入感でワクワクしたのを鮮明に覚えています。小学生のときは伝記ものを借りて、高校生になった今では、知識ゼロシリーズという物理※や行動経済学など、事前知識がなくても読みながら学べる本をよく読んでいます。
通学時は教科書やワークなど多くの書籍を持ち運ぶので、スマホで読める電子図書館を重宝しています。満員電車でも片手で読める点や、書籍内の文字や写真も拡大して見れるのが便利です。電子だと試し読みが気軽にできるので、少し読んでこの本は違うなと思っても、その場で返して別の本をすぐに借りられます。期限がくれば自動で返してくれるので、返し忘れがないのも気に入ってます。
図書館に来れば勉強しながらわからないことを調べる調べ学習ができます。これからも図書館で、将来に向けて様々な分野のことを学びたいです。

※川村康文監修『知識ゼロでも楽しく読める!物理のしくみ』西東社、2019

■来館して便利!
図書館では自動貸出機や、蔵書検索・予約ができる蔵書検索機、フリーWi-Fiを設置していますが、他にも便利なサービスを提供しています。

◇マイナンバーカード・交通系ICカードが利用者カード替わりに
図書館や公民館図書室でICカードリーダーにタッチすると書籍の貸し出しができます。
※マイナンバーカードの場合は利用者証明用電子証明書用の暗証番号が必要です。

◇スマホで利用者カードのバーコード表示
公民館図書室・自動車文庫を含めた図書館全館で、利用者カードのバーコードをスマホに表示し、窓口で貸し出しに使えます。

◇オンラインデータベース
図書館で契約する各種オンラインデータベース(官報、法律・裁判例、各種事典、読売新聞)を検索、印刷できます。国立国会図書館のデジタル化資料送信サービスも提供しています。南河内の図書館の中では一番多くのオンラインデータベースを利用できます。

・デジタル化資料送信サービス
・官報情報検索サービス
・Westlaw Japan(ウェストロー ジャパン)
・JapanKnowledge(ジャパンナレッジ)
・ヨミダス

■来館しなくても利用可能!
◇電子図書館
利用者カードを持つ市内在住、在勤、在学ならだれでも、1万2500点の電子書籍をスマホやタブレット、パソコンで利用できます(本紙QR参照)。読み上げやしおり・メモ、文字の拡大機能や10冊までの書籍予約も可能です。

◇YouTube歴史講座
従来、対面のみで行っていた歴史講座をオンラインでも配信しています。「鬼住村と鬼伝説」や「諸越橋のお話」、「狩りをするお殿様」など10月現在44の動画を配信しています。

◇オンラインで利用者登録
スマホとマイナンバーカードがあれば、来館しなくても利用者登録ができます。

◇デジタルアーカイブ
市内に伝わる江戸時代の古絵図などを高精細で見ることができます。

■message 小川教育長からのメッセージ
キックスの図書館にお越しいただければ、知りたいことが「ぼんやり」していても、レファレンスコーナーにいる司書が、丁寧に「調べもの」を支援します。また、年齢ごとのおはなし会など、幼少期から本に親しめるイベントもたくさん実施しています。
図書館に来られなくても、公民館図書室や自動車文庫などの身近な場所で図書に触れることができますし、ネット予約した図書の貸出しや返却もできます。さらに、コロナ禍での休館などの経験を契機に、近隣市町村に先立って、電子図書館をはじめとしたDX化を一気に進めました。特に電子書籍については、蔵書を充実させるとともに、利用者IDを市立の小学4年生~中学3年生の全員に配付し、タブレット端末で利用できるようにしました。「読みたくなったらどこでも図書館」をぜひご利用ください。

問合せ:図書館
【電話】52-6933