- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府摂津市
- 広報紙名 : 広報せっつ 令和7年9月1日号
◆課題と現場から学ぶ働くことの大切さ~体験を通じた学びと「働く」を考える~
第一中学校では、企業から与えられた課題に挑む探究活動で問題解決力や創造性を養いました。第四中学校では職場体験を通じ、仕事の責任や努力の重要性を実感し、働く人々の工夫や協力から社会の一員としての自覚を育みました。これらの経験は、働くことを深く考え、将来への希望を描きながら進むべき道を考える大切な時間となりました。
◇中学生Voice
・PR動画制作では不安もありましたが、ワクワクしながら進めました。班をまとめる中でリーダーシップや選択力を学び、この経験を活かして優しい大人になりたいです。(一中)
・職場体験で、保育士さんが子どもを思って働く姿が素晴らしいと感じました。接し方や言葉遣いを学び、自分も周りと助け合える仕事がしたいと思いました。(四中)
◆キャリアパスポートで広がる学びの世界~見通しをもって行動し、対話で深める“自分らしさ”~
別府小学校では、キャリアパスポートをうまく活用しながら、キャリア教育を進めています。「キャリアパスポート」は、子どもたちが努力や気づきを記録し、未来の生き方を考えるためのツールです。5年生は学年目標「5(5年)5(GO)1(そして、一つになる、つながる)」を確認し、1学期は「らしさを大切に」を合言葉に自身の目標を具体的に立てました。学校生活では、先生や友達との対話を通じて自己理解を深め、「キャリアパスポート」に努力や気づきを記録します。この取り組みを通じて、自分の可能性に気づき、自信をもって「自分らしい生き方」の一歩を踏み出しています。
◇小学生Voice
・キャリアパスポートを使ったふりかえりで、自分は話す力や集中力が成長したと感じました。これからは、クラスみんなを笑顔にする力をつけたいです。
◆他国の学びを摂津の教育へ
摂津小学校の片上先生は、JICA海外協力隊の活動を通じてモロッコの学校で算数指導に携わり、子どもたちの「学びたい」という共通の思いを肌で感じました。この経験をもとに、多様性や地域とのつながりの大切さを摂津市の教育現場に活かし、新たな視点で子どもたちへ学びを届けています。
◇片上綾子先生Voice
私は協力隊の活動を通じて、教科書や教材が十分にない環境下でも、子どもたちの「学びたい」という気持ちは国を越えて共通していると実感しました。この経験を活かし、摂津市の子どもたちに「世界のことを身近に感じられる」国際理解・多文化共生教育の取り組みを進めたいと考えています。また、外国につながりのある子どもたちも安心して過ごせるように日本語指導加配教員(日本語が母語でない児童生徒の学習や学校生活への適応を支援するため、通常の教員数に加えて特別に配置される教員)と連携していきたいです。そして、摂津市国際交流協会の人々や教職員と協力して多様性の尊重を発信する架け橋になりたいです。
◆生徒指導の視点を活かした授業づくり~行事や学校活動の経験を日常の学びへ~
第五中学校では、「子どもが主役」「子どもが自治する学校づくり」を推進しています。学校行事や生徒会活動の企画・運営を子どもたちに任せることで、主体性や協力する力の育成に取り組んできました。昨年度からは、「子どもたちが議題を考え進行する学級会」を導入し、多様な意見や素直なアイデアが出やすい環境を整えています。この取り組みは、同じ中学校区の鳥飼小学校や鳥飼東小学校と共に「生徒指導の4つの視点」を大切にしながら進めています。今年度はさらに、授業にも「生徒指導の4つの視点」を取り入れ、子どもたちが積極的に学べる環境づくりに力を注いでいます。
◇4つの視点
1 自己存在感を感じられること
どんな意見も取り上げる(大切にする)
2 共感的な人間関係が育つこと
あたたかな聞き方
3 自分で決める場を提供すること
自分たちで話し合って決める
4 安全・安心な風土をつくること
多様な考えや意見を尊重する
◆みんなで学び合う「全校ミーティング」~子ども主体の活動を通して育まれる力~
味生小学校では「子どもが主役の学校づくり」をめざし、児童主体の教育活動に取り組んでいます。1学期には、「全校ミーティングでなかよくなろう」をテーマに、1〜6年生の異学年グループで交流を行い、初回は自己紹介やゲームで顔合わせをしました。6年生がリーダーとして進行し、低学年を優しくサポートする姿が多く見られ、思いやりや協力する力が育まれました。今後、児童が話し合いや企画を通して学校生活をよりよくするための全校ミーティングを開催していく予定です。
◇小学生Voice
・全校ミーティングで、みんなで仲良く助け合えて良かったです。これからも協力して、一人ひとりを大切にする楽しい学校にしたいです。
◆子どもたちが輝く未来へ
摂津市では、キャリア教育や魅力ある学校づくりを積極的に推進しています。今回紹介した以外にも、各学校が特色を活かした取り組みを展開しています。
小中学生一人ひとりの個性や興味を尊重し、学びの幅を広げる活動や、将来を見据えた実践的な教育プログラムを実施することで、教育環境の充実を図っています。摂津市の教育を通じて、小中学生が夢や志を持ち、目標に向けて主体的に行動する力を育むとともに、地域の活性化につながる仕組みが整えられています。今後も教育を軸に地域とともに成長し、次世代を担う小中学生の輝く未来を築いていきます。
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