くらし 【特集】救急救命(2)

■より迅速・適切な処置につながる マイナ救急
▼マイナ救急とは
119番通報で駆けつけた救急隊員は、搬送する人の名前や生年月日などの基本的な情報のほか、かかりつけの病院や服用している薬などのさまざまな情報の聞き取りを行います。これらの情報は、搬送する病院の決定や救急車内での処置、病院到着後の治療の準備などに役立てられ、命を守るために欠かせない情報です。
しかし、病気やけがで苦しむ本人や、気が動転している家族がこれらの情報を正確に伝えることは困難な場合もあります。
マイナ救急では、救急隊員が傷病者のマイナ保険証を活用し、過去に受診した病院や処方された薬などの医療情報を閲覧します。

▼マイナ救急のメリット
▽あなたの病歴
救急隊が糖尿病などの病歴を正確に把握することで、適切な処置を迅速に行うことができます。また、搬送時に意識がない場合でも、過去の手術や通院内容をもとに適切な搬送先の選定や処置が可能になります。
※マイナ保険証で医療情報を取得する場合、原則傷病者本人から口頭で同意を得ます。ただし、同意の取得が困難かつ生命・身体の保護が必要である場合は同意取得を省略可能としています。

▽薬の処方歴
処方された医薬品名が表示され、その医薬品名から治療中の疾患を推測することで、傷病者の状況把握に役立ちます。

▽病院の受診歴
病院の受診歴がわかるため、救急搬送時に最適な医療機関を選定しやすくなります。

▼マイナ救急利用の流れ
1.必要に応じて、通報者に対しマイナ保険証の準備を依頼します。
2.傷病者にマイナ保険証の情報閲覧に対する同意の有無を確認します。マイナ保険証を持っていないなど情報を閲覧できない場合は通常の救急活動を実施します。
3.傷病者のマイナ保険証をタブレット端末にかざし、受診歴や処方薬などの情報を専用システムで閲覧します。
4.閲覧情報を参考に、搬送先医療機関を選定します。搬送先の医療機関に到着後、医師に傷病者を引き継ぎます。

▼マイナ救急を実施するために
マイナ救急を実施するためには、健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカードを携帯している必要があります。もしものときに備えて、マイナンバーカードの取得とマイナ保険証の利用登録、マイナ保険証の携帯に協力をお願いします。
マイナンバーカードの取得について、詳しくは7面をご覧ください。
※詳しくは本紙をご覧ください。

■救急車の中を大解剖
救急車内には、傷病者に必要な応急処置を行うため、さまざまな医療機器や資器材が搭載されています。

▽携帯型吸引器
家や屋外など救急車外に持ち運びでき、口腔内の異物や粘液を除去します。

▽携帯型酸素バッグ
小型酸素ボンベが入っており、酸素投与や人工呼吸に使用します。

▽患者監視装置
脈拍、血圧、心電図、血中酸素飽和度などを測定・表示し、傷病者の容態を継続的に観察します。

▽AED(自動体外式除細動器)
心臓がけいれんし、血液を全身に送れなくなった状態に対して電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。

▽バックボード
主に外傷傷病者を固定し、脊椎や頸椎などの動きを最小限に抑え損傷の悪化を防ぐ搬送用器具です。

▽スクープストレッチャー
左右に分離する構造で、傷病者の身体の下に差し込み、すくい上げて収容できる担架です。

問合せ先:消防局救急課
【電話】072-966-9100【FAX】072-966-9669