- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府熊取町
- 広報紙名 : 広報くまとり 令和7年6月号 〜第889号〜
■インタビュー
●聴力を保つことは『自分らしさ』を保つこと
(言語聴覚士 髙橋美香さん)
皆さんはささやき声でおしゃべりできますか?
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、80歳になっても補聴器をつけて30デシベル(ささやき声程度)の音が聞こえることをめざす『聞こえ はちまるさんまる運動』を推進しています。
耳の聞こえが悪くなると、脳に刺激が届きにくくなり、その状態が長く続くと『音は聞こえているのに意味を忘れてしまっている』ということが起こります。医学的には認知症の要因のうち4割は防げるものであり、その中でも上位にあたるのが難聴であると言われていますので、少しでも聞こえづらいなと感じたら、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
▽悪循環になる前に補聴器という選択肢
会話中に何度も聞き返したり、大きな声で話してもらったりすることで相手に悪いと感じ、おしゃべり好きだったのにあまり話さなくなったり、家に閉じこもったり『うつ病』になったりすることもあります。
そうなってしまう前に、補聴器を使って『自分らしく』生活するという選択肢を視野に入れてほしいと思います。
補聴器は、つければすぐ聞こえがよくなるものではありません。
難聴が進んでいる方ほど、最初のうちは音がうるさく感じてしまうのですが、それは脳が休んでいたサイン。
音が聞こえる状態を脳が思い出すためにはリハビリが必要なので、補聴器の調整に何度も通うことになります。
『年のせい』と思わず、早めに行動することが大切です。
・言語聴覚士 髙橋美香さん
病院勤務で言語療法士として経験を積んだ後、言語聴覚士資格を取得、保健所や保健センターなど地域での活動も開始。
2024年6月からは、地域で共に働く他職種と共に学ぶ場『STサロン』を主宰。
■自分に合った補聴器の選び方
●補聴器には大きく分けると3タイプあります
なんとなく選ぶのではなく、販売店で相談しながら自分にあったものを見つけましょう。
▽耳あな型
耳の中に収まる小型の補聴器。小さいため目立ちにくい。
▽耳かけ型
耳の後ろにかけるタイプの補聴器。機能が多く音質も良い。
▽ポケット型
コードがついたタイプの補聴器。大きいため操作がしやすい。
●補聴器購入の3ステップ
聞こえ具合やつけ心地を試して納得してから購入を!
1.耳鼻咽喉科を受診
医師に補聴器が有効か診断してもらいます。
2.補聴器販売店へ
聴力検査やライフスタイルの相談をして補聴器をいくつか選定してもらいます。
3.補聴器のレンタル・購入
販売店によっては数週間程度、補聴器を貸し出してくれるところもあります。
脳が難聴の状態に慣れてしまうと、補聴器からの音を『うるさい』と感じ装着を諦めてしまいがちです。
最初は小さな音量から始め、徐々に音量を上げながら常につけていられるようトレーニングすることが大切です。
目が悪くなったらメガネをかけるように、耳も聞こえづらいなと感じたらぜひ補聴器を検討して、ストレスのない生活を送りましょう!
■補聴器購入助成
65歳以上の方を対象に『補聴器購入助成 上限25,000円』を実施しています。
補聴器販売店で見積書をもらったら、購入前に申請してください。
(注釈)条件など詳しくは、町ホームページをご覧ください。
問い合わせ:健康・いきいき高齢課
【電話】452・6285