健康 《特集》最近『えっ?』が増えてない?(1)

最近、家族や友達との会話がちょっと噛み合わなかったり、テレビの音が大きいと言われたりしていませんか?
もしかしたら、それは『加齢性難聴』かもしれません。
年齢を重ねると、体のあちこちに変化が現れるものですが『耳』も例外ではありません。
今回は『耳の健康』について特集します。

■加齢性難聴って?
年齢とともに耳が聞こえにくくなる『加齢性難聴』。
一般的には、50歳を超えると特に高い音が聞こえにくくなり、75歳以上の約7割が難聴になります。
その中でも難聴を自覚している人は約3割と言われています。

●特徴
○危機察知能力が低下する
車が近づいてくる音や周りの音が聞こえづらく、接触事故等の危険な目にあってしまった。

○コミュニケーションがうまくいかない
話し声が聞き取りにくく人との会話が億劫になり、家にこもるようになってしまった。

○認知機能が低下する
難聴を放っておくことで、脳への刺激などが低下し、忘れっぽくなってしまった。

■こんなサインを見逃していませんか?
▽聞こえの簡単チェック!
チェックが1つでもあれば要注意かも!
1.後ろから呼ばれても気付かない
2.会話中に聞き返すことがよくある
3.テレビの音が大きいと言われる
4.耳鳴りがする
5.電子レンジの『チン』という音や玄関のチャイムが聞こえにくい

■インタビュー
●違和感があればすぐに受診を
(耳鼻咽喉科 のざき医院 野﨑隆平先生)

難聴になる原因は、耳垢の詰まり・中耳炎・メニエール病などいくつかありますが、加齢性難聴は耳の中にある細胞や神経が加齢により機能低下することで起こります。
年をとると耳が聞こえづらくなるものだと思いがちですが、耳垢の詰まり・中耳炎・メニエール病などは治療すれば改善が見込まれるため、聞こえづらい原因を詳しく探るためにも早期の受診をおすすめします。

▽聞こえづらさは放置せず、すぐに対処を
聞こえづらさは放っておくと、「佐藤さん」「加藤さん」のような言葉の聞き分けもしづらくなり、周りとのコミュニケーションが取れなくなったり、認知症になったりと弊害も出てきます。
また、耳の違和感は、周りから気付かれにくいため受診が遅れることもあります。『もっと早く受診していればよかった』と後悔しないためにも、原因があれば取り除き、加齢性難聴であれば補聴器を使うなど対処していくことが必要です。
補聴器と似た集音器という装置もありますが、集音器は拾ったすべての音を大きくするもので、雑音もその分大きくなります。
補聴器の場合は、『テレビやラジオをよく聴く』『大勢がいる状況で会話する』など普段の皆さんの状況に合わせて選び、調整するものです。
補聴器を購入する際は、自分で判断せず、治療すれば改善する難聴でないか、補聴器が本当に必要かを調べるためにもお近くの耳鼻咽喉科を受診してください。

・耳鼻咽喉科 のざき医院 野﨑隆平先生
大学病院ならびに関連病院の公立病院に勤務し、平成18年7月に耳鼻咽喉科・アレルギー科・気管食道内科を専門に住み慣れた熊取町にて開院。