- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県養父市
- 広報紙名 : 市広報やぶ 2025年9月号(第258号)
■木曽路と澤田正春(さわだまさはる)
澤田正春氏(大正6年〜平成4年)は八鹿町舞狂出身の写真家です。本名は泉山義夫(いずみやまよしお)、功績は「文芸写真を以って木曽路を世に蘇らせ、日本大正村(恵那市明智町)の基を開く」と語られています。
昭和33年、長野県南木曽町の発電所工事現場で働き始めたことを契機に、塩尻市から中津川市に至る木曽地方の写真を撮り続けました。昭和41年から木曽路三部作と呼ばれる写真文集を出版し、観光の「木曽路ブーム」を巻き起こしました。
澤田氏は、青谿書院保存会の会報第4号(昭和55年発行)に「池田草庵がお供とともに木曽路を通ったのは、嘉永四年の四月で、江戸で佐藤一斎(さとういっさい)の講義を聞いた帰りに木曽道へと入ったわけである。十三年後、四万人という奉供人にかこまれた皇女和宮が泊まられる。池田草庵の旅日記との出会いも私には大きな感動であった」と書いています。
平成27年八鹿文化会館で澤田正春写真展が開催され、「縁側に座る老女」などの写真が展示されました。
晩年には木曽路を案内した縁で前田青邨(まえだせいそん)氏(中津川市出身、昭和30年文化勲章受章)に絵画を習い、澤田竹雲(さわだちくうん)と名乗りました。八鹿老人福祉センターには竹雲氏による水墨画、「牡丹と雀」(平成2年1月制作)が掲げられています。
(教育委員会歴史文化財課)