- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県朝来市
- 広報紙名 : 広報朝来 令和7年7月号
■今ある自然の姿を後世に残す
子どもの頃、地域の大人たちと自然の中で遊びながら、生き物の生態を知る楽しさに出会った中嶋さん。教員となった今も、地域のアマチュア研究者たちとともに川や山に足を運び、生き物の観察や環境調査を行っている。朝来市の豊かな自然や生態系を後世に残すためには、朝来市の自然の今の姿を記録し、伝えていくことが大切だと話す。知識を深めた今でも、現地に出るたびに新たな発見があり、自然の奥深さに驚かされることも多いという。未知が残る自然に魅せられながら、日々、探究を続けている。
■子どもたちに伝えたい身近にある魅力
中嶋さんが願うのは、朝来市の子どもたちが地元の魅力に気づいてくれること。「地元には何もない」「新しい施設がほしい」といった声もあるが、今なお息づく豊かな自然こそが、失ってはいけない朝来市の宝だと話す。かつて、地域の大人たちから教わったように、授業を通して、子どもたちと一緒に身近な自然に触れる機会を作っている。魚や虫、草花に触れた瞬間、子どもたちの表情がパッと輝く瞬間を見るたびに、伝えることの大切さを実感するという。自然を身近に感じ、大切に思う心を育ててほしい。そんな想いを胸に、今日も子どもたちに地元の魅力を伝え続けている。
中嶋宏輔(なかしまこうすけ)さん(楽音寺)
中嶋さんは、和田山高等学校の教員で生物の授業を担当している。子どもの頃、梁瀬地域自治協議会のイベントで地域の大人たちと川や山に出かけ、多くの生き物とふれあう中で、身近な自然への興味が芽生えたという。当初は研究者を目指していたが、大学時代の教育実習で、生物学をわかりやすく伝えることの楽しさを知り、教員の道へ。今は、授業を通じて朝来市の自然を子どもたちとともに調査し、その豊かさを未来へつなげていこうとしている。