くらし 令和8年 新春座談会 若手農業者と語る、町の農業の未来(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県太子町
- 広報紙名 : 広報たいし 2026年1月号
全国的に農業の担い手不足が深刻化する中、太子町では、若手農業者グループ「TaishiMettFarm+(タイシメッツファームプラス)」の皆さんが町の農業を盛り上げるべく、日々、精力的に活動されています。
令和8年の新春座談会では、次世代の農業の担い手として、本町の農業の未来を切り拓く若い力である同グループから4人の農業者にお集まりいただき、これからの農業について、町長や議長とともに語り合っていただきました。
・榮藤友洋(えとうともひろ)さん
・太子町長 沖汐守彦
・万壽本佳明(まんじゅもとよしあき)さん
・玉田将(たまだまさし)さん
・太子町議会議長 首藤佳隆
・塚本典弘(つかもとのりひろ)さん
■農業の「やりがい」と「大変さ」‐現場の手触り‐
町長:まずは、皆さんが農業を始められたきっかけや現在の取組状況を教えてください。
榮藤:農業をしていた父の影響で始めました。現在は水稲を中心に栽培しています。
万壽本:農業に携わっていた祖父母の影響で、昔から『いつか農業をやりたい』という思いがあり、8年間のサラリーマン生活を経て農業を始めました。今は白ネギをメインに、お米も少し作っています。
塚本:会社で営業の仕事をしていましたが、農業者の父の影響で始めました。営業で培った経験を活かし、販売力を強化することで農業に新しい価値を生み出せると考えたことがきっかけです。現在は、米と小麦の栽培を中心に取り組んでいます。
玉田:農業者の父に一緒にしないかと誘われたことがきっかけです。メインは水稲で、季節に応じて野菜も作っています。
町長:皆さん、家族の影響や、これまでの経験を活かしたいという思いが農業への一歩になっているんですね。それぞれ工夫を凝らしながら、日々農業に取り組まれていることと思います。
では、実際に農業を始めてみて、やりがいや大変さをどのように感じておられるのか、ぜひ教えてください。
塚本:最近の米不足の影響もあり、お米の販売が好調で、丹精込めて育てたお米をお客様に喜んで手に取っていただけることが、大きなやりがいです。
しかしながら、高齢化や担い手不足が大きな課題だと感じています。仲間や後継者を増やすために、どんな発信や仕組みが必要か模索している状況です。
万壽本:やった分だけ結果が出ることがやりがいです。手間をかけて育てた白ネギが立派に育ち、お客様に提供して喜んでいただける瞬間は本当に嬉しく、次の挑戦への力になります。
その一方で、資材高騰や獣害など課題も多く、どう乗り越えるか日々工夫を重ねながら取り組んでいます。
榮藤:農業のやりがいは、人が生きるために欠かせない食料の生産に携わっているという誇りです。地域の食を支えることに大きな意義を感じています。
ただ、農業機械の購入に大きな費用が必要で、その投資を収入で補うまで時間がかかります。さらに天候に左右され、売上が不安定になりやすいことも悩みです。加えて、獣害や担い手不足、耕作放棄地の増加など、問題は山積みです。こうした中、農業をどう持続させるか、工夫や新しい仕組みを模索しています。
玉田:皆さんも言われているように、自分が育てた作物を『美味しい』と言って食べてもらえることがやりがいです。最近は遠方のお客様や飲食店からも、送料を払ってでもうちのお米を買いたいという声が増え、大きな励みになっています。
その反面、米や野菜の価格変動が激しく、収益の安定が難しい状況です。さらに、病気や猛暑、獣害など自然との戦いも続いています。何が正解か分からない中で、試行錯誤を重ねながら、より良い作物を届けるために挑戦を続けています。
町長:皆さんのお話の中で、自分が育てた作物を『美味しい』と言ってもらえることが一番のやりがいだという言葉が心に残りました。食べる人の笑顔や感謝の声が、日々の努力を報いてくれる瞬間なのだと思います。こうした喜びがあるからこそ、皆さんは厳しい自然や経営課題に向き合いながら挑戦を続けておられるのだと感じました。
一方で、高齢化や担い手不足、資材高騰、価格変動、獣害など、現場には多くの課題があります。こうした課題に向き合いながら挑戦を続ける皆さんの姿勢は、町の農業の未来にとって大きな力になると感じています。
議長:農業は地域の暮らしを支える大切な産業です。皆さんのお話から、やりがいとともに、現場の課題の大きさも改めて実感しました。皆さんが工夫を重ね、日々取り組まれていることに心から敬意を表します。
議会としても、こうした声をしっかり受け止め、持続可能な農業のためにできる支援を考えていきたいと思います。
