- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県太子町
- 広報紙名 : 広報たいし 2026年1月号
■若い世代に農業を広めるには‐体験や連携で「入り口」を増やす‐
議長:農業にはやりがいがある一方、担い手不足が大きな課題です。農業を持続させるためには、若い世代にその魅力を伝え、仲間を増やしていくことが欠かせないと思います。そこでお聞きします。若い人に『農業って面白そう、やってみたい』と思ってもらうためには、どんな工夫や取組が必要でしょうか。
玉田:農業の魅力は、やってみて初めて分かる部分が多いと感じています。だからこそ、若い世代に広めるためには、まず「触れるきっかけ」を増やすことが大切です。現状ではそうした体験の場が少ないため、今後は農業に触れられる機会をもっと作り、興味を持ってもらえる仕組みを整えていくことが必要だと思います。
塚本:昨年、町内の企業と連携して田植えや稲刈りなどの体験イベントを開催しました。参加者は苗植えや収穫を楽しみ、特に子どもたちの笑顔が印象的でした。収穫したお米を食べて『すごく美味しかった』という声もあり、農業の魅力を伝える良い機会になったと感じています。
こうした取組を広げていくことが大切だと考えています。そのためには、町や企業と協力し、体験イベントを「ボランティア」ではなく、「農家の仕事の一部」として位置付ける仕組みづくりが必要ではないでしょうか。例えば、町や企業に体験会を企画していただき、委託料をいただいて農家が体験の場を提供する、そんな持続可能な形にすることで、より多くの人に農業を身近に感じてもらえるだけでなく、農家にとっても収入や販路拡大につながるメリットがあります。子どもたちが『農業ってかっこいい』と思える環境をつくることが、未来の担い手を育てる第一歩だと思います。
万壽本:私も農業体験の取組として保育園児の体験やトライやる・ウィーク、高校生の職業体験の受け入れを行っています。その中で感じるのは、農業機械に触れる瞬間に子どもたちの目が輝くことです。例えば、太子あすかふるさとまつりの「はたらくくるま」展示の横で農業機械を並べてみたり、田植えや稲刈り体験の際に機械に触れられる催しを加えるなど、農業の魅力を身近に感じてもらえる工夫が効果的ではないでしょうか。
榮藤:農業を魅力ある産業として選んでもらうためには、収入の安定が欠かせないと思います。「農業でしっかり生活できる」という事例を積極的に発信することが、農業を職業として選ぶきっかけにつながるのではないでしょうか。
町長:皆さんのお話を伺って、農業の魅力を伝えるためには「体験の場」を増やすことが重要なのだと改めて感じました。田植えや稲刈りのイベント、農業機械展示など、子どもや若い人が農業に触れ楽しめる機会を広げることで、『農業って面白い、かっこいい』という気持ちが芽生えるきっかけになると思います。
また、榮藤さんの『農業で生活できることが重要』という視点は非常に分かりやすく、私も強く共感しました。町としても、体験機会の確保に加え、販路拡大や新しい機会の創出に取り組み、農業が持続可能な産業として発展できるよう、皆さんの挑戦を後押ししていきたいと思います。
議長:皆さんのお話を聞き、農業の未来を真剣に考えてくださっていることに、本当にうれしくなりました。私自身、子どもの頃に父が汗を流して農作業をする姿を見て、『かっこいいな』と憧れた記憶があります。そうした体験や思い出が、農業の魅力を伝える力になると思います。今は、家族で田植えや稲刈りをする機会が減っていますが、だからこそ、子どもや若い世代が農業に触れられる場を広げることが大切です。
議会としても、皆さんのアイデアを行政につなぎ、企業や地域と協力しながら、こうした取組を継続できる仕組みづくりを後押ししていきたいと思います。農業の魅力を次の世代に伝え、太子町の未来を一緒に育てていきましょう。
