くらし 地域福祉応援隊

■アクティブステーションかみ
令和元年から障害者・引きこもり者・生活困窮者などの就労や社会活動を支援する香美町福祉職業等紹介所「アクティブステーションかみ」を役場福祉課内に設置しており、これにより新たな職場に就労して活躍する人が増えています。今回その中から、有限会社香住観光旅館丸世井で従業員として働いている米田衛さん(49歳男性)と清水浩仁社長を取材しました。

○「以前は引きこもりの状態でした」
―就労前の状況を教えてください。
米田さん:いくつかの仕事を経験しましたが長続きせず、昼夜逆転の生活となってしまい、2~3年ほど自宅にいる状態でした。

―アクティブステーションかみに登録後、担当者が自宅を訪問するなど何度も面談しましたが、どのように感じましたか。
米田さん:すごく苦しい時期だったので、親身に話を聞いていただいたことはうれしく、だんだんと精神的に落ち着きました。

―事業所とマッチングした後、担当者と一緒に職場を見学したり、実際の仕事を体験したことについて、どう思われますか。
清水社長:本人の人となりや、実際の動きを見ることができたので良かったと思います。
米田さん:未経験の仕事で不安もありましたが、何とか頑張ってやっていこうと覚悟しました。職場を見たり実際の仕事を体験したことで、不安は少なくなっていきました。

○「職場に必要な戦力です」
―その後、就労開始。定着支援(就労後の悩みごと相談など)を続けてきた中、現在の思いは。
清水社長:最初は風呂掃除など言われた仕事をこなしている感じでしたが、次第にできることも増え、仕事の幅が広がってきました。きっちりしたところ、約束を守ることが良いところで、今では頼りになる重要な戦力の1人です。また、本人・担当者と三者で面談するなど就労後もサポート(定着支援)していただけることは、とても良いことだと思います。
米田さん:仕事のことを自分なりに書き留めたノートを使って、家で復習するなど、慣れるまで大変なこともありました。正直言って辞めようと思ったこともありましたが、お客さんに「丁寧に掃除してくれてありがとう」と言われてやりがいが増えたことや、社長からも仕事を頼まれたり、仕事に来てくれと言われることがうれしく、また定着支援で相談に乗ってもらうことにより、3年以上続けることができています。これからも、一つずつ新しい仕事に挑戦していきたいです。

―最後に、これから就労や社会参加を目指す、引きこもりや障害のある人へメッセージがあればお聞かせください。
清水社長:当事者にしか分からない苦しみや大変さがあると思いますが、自分のペースで一歩一歩、少しでもチャレンジ精神を持って進んでもらえればと思います。
米田さん:自分自身、何をやってもうまくいかない大変な時期がありました。ただ、周りのサポートや自分でできること、例えば家事などを継続してやっていくことにより、少しずつではありますが自分の「殻」を破ることができました。まずは、気分転換のために外へ出る、自分の部屋を掃除してみるなど、一歩ずつ何かできることを探すことで、何かが見つかり次への一歩につながると思います。自分の存在を知ってもらうことも大切だと思います。焦らず歩いていきましょう。

―このたびは、就業後の貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

問い合わせ先:役場福祉課