イベント EXPO2025 ぜんぶのいのちと、ワクワクする未来へ。(2)

■大字折立総代
玉置 正澄さん

校舎の雰囲気
そのままのかたちで残してくれた
また生かされているっていうのは、やっぱり嬉しい

大阪・関西万博が開幕する約ひと月前の3月12日。大字折立総代など、大字の役員と関係者たちが大阪・夢洲の万博会場に向かい、旧折立中学校の校舎が活用されたシグネチャーパビリオン「Dialogue Theater-いのちのあかし-」を見学した。
「駅から歩いて連れてくれて。ほんでここですって。見たら、その校舎のままやからよ。おれらが知ってるそのままのかたちで移築されたんやなぁと」
玉置さんもこの木造校舎を学び舎とした折立中学校の卒業生だ。
「木造校舎は、中学校の前はもともと折立小学校やった。昭和40年か、小学校の統合で、おれらが5年の2学期から平谷小学校として平谷へ通うようになった。小学校入学は折立小学校で、卒業は平谷小学校。卒業したら今度は折立中学校としてまた。折立中学校も、平谷と統合しとるよって、学年2クラスで60人以上。ようけおったし賑やかやったな」
玉置さんたちが旧折立中学校の校舎がパビリオンに活用されると聞いたのは、令和5年春のこと。それ以前から、折立の地域では学校跡地の活用を見通して校舎の解体を村に要望していた。そして村有施設の解体計画のなかで、村から令和5年度に解体すると返事をもらった。
「万博のパビリオンで使う話がありますと聞いたのは解体すると決まっていた後。本来やったら、解体して廃材となるのを、また生かしてっていうことをやったんで、やっぱり残るのは、それは嬉しいなと」
万博のパビリオンに使うと聞いても、実際に目にするまでは、どのように活用されるのかピンと来ていなかったという。
「実際に行ったら、校舎のイメージを壊さずそのまま。玄関口とか、あるいは階段、窓枠、瓦もそのまま使うとるよって、解体前と同じような感じ。懐かしい、そういう感じがするなって。あと軋む音やな。木の床の音が。
解体・再利用やから、柱も磨いてとかよ、傷を補修したりっていうでなく、そのまま使うとる。おそらく解体するのにも苦労しとるやろうと思うけどの」
万博の会期中、毎日10時からパビリオン内のシアターで河瀨監督撮り下ろしのドキュメンタリームービーが上映されている。人々の思いと校舎移築の挑戦の過程を知ることができる。(予約不要)
「この校舎に通ってた人、それ以外の人では感じ方も関心の持ち方も違うと思う。けど、他のパビリオンがピカピカの新築のなかで、その真新しいのとは、感じるものも違うと思うんだな」
校舎はパビリオンとして新たないのちが吹き込まれ、引き継がれた。万博の会期中は、国内外から多くの人が訪れる。このゆったりとした空間と、建物に刻まれた年月と人々の記憶や思いは、訪れる人に懐かしさと美しさを感じさせる。

■(check!)テーマ事業プロデューサー河瀨直美さんから十津川村の皆さんへメッセージをいただきました
自治体放送(11ch)で放送中!
ぜひご覧ください。
メッセージはこちらからもご覧いただけます(※本紙二次元コード参照)