くらし 令和7年度 施政方針(1)

私の政治信条につきましては従前より『豊かな村づくり・住みやすく住んで良かったと思える村づくり』を根底に据え、行政に携わってきましたが、7年度においては、本年の年頭挨拶でも申し上げましたが、“ウェルビーイングな田舎暮らしの実現に向けて”を掲げ頑張っていきたいと思っています。
この言葉の概念は、一人ひとり、個々においての幸福度を高めていくというものです。
通常、自分は幸福である、と言う感覚は、あくまでも主観的なものであり、我々が日々の暮らしを立てていく上で、自身に関わる生活環境を少しでも良くしていくという事が、幸福度を高めることに繋がると思っています。その上で、村民の暮らしを守る行政の役割として、いかに、この課題に取り組んでいくか、後押しが出来るかが重要であると思います。
例えば、健康や教育・雇用・所得・治安・社会的コミュニティへの後押しですが、これは、冒頭申し上げました『豊かな村づくり・住みやすく住んで良かったと思える村づくり』の指標と重なり、果敢に取り組みたいと思います。
加えて6年度の施政方針で申し上げました、“きらりと光る上北山村”すなわち上北山村の価値・評価を上げていく方針を掲げ、上北山村の地位向上を目指したいと考えています。
そして令和7年度においては、ただいま申し上げました理念を具現化すべく、様々な施策を推進してまいりたいと思います。
具体的な施策概要を述べさせていただきます。
本村において、基幹産業であった林業の活力が未だ戻らない中、上北山村の大自然を生かした観光業を軸とした産業構造を組み立て、併せて、個々の暮らしの中での福祉や住民サービスの充実を図るという基本方針は維持しつつ、更なる福祉や住民サービス部門の充実を図りたいと考えています。

■観光業について
大台ヶ原と和佐又、北山川、白川又、そして歴史的文化財としての寺社仏閣等を核とした宿泊システムの強化を図ります。
本村にはフォレストかみきた、和佐又ヒュッテ、その他に民宿もありますが、宿泊者収容数の少なさが課題であり、増量を図りたいと考えています。
「フォレストかみきた」については、開業して5年、一つの節目であり、先般の「村政懇談会」でのご指摘のとおり、改善の余地があると認識しております。
「和佐又ヒュッテ」についても同様ですが、一定の雇用創出という目的を果たしており、その点において、ご理解いただければと思っております。
また、それに付随する土産物や特産品については、ふるさと納税返礼品の開発と併せ、村民の皆様の協力も仰ぎながら、発掘、販売していくシステムの構築を図ります。
その他の業種については、建設関係では、村のインフラ整備等を推進してまいります。
観光産業に関連する事業として、登山道整備、林道整備、森林整備は観光業に関係があり、整備事業による経済効果も見込まれます。
その他、漁業、物品販売業、ダム湖利用業種、宿泊業等々、連携を図ることで、当村の観光産業の底上げを進めてまいりたいと考えています。

■林業について
昨年度から奈良県の森林環境譲与税を活用した混交林事業を進めており、今年度も実施予定でありますが、先般、奈良県へ白川又川流域の県有林も混交林事業を進められるよう、提案したところ、現地確認したい旨、返事を頂いております。
その上で、この白川又流域は天然林が多く残っており、生物多様性の観点から利用できないかと尋ねたところ、林業サービスとして検討すべきとのアドバイスをいただきました。
私の構想の一つである天然林を利用した観光事業の可能性が高まっていると手ごたえを感じています。

■村の賑やかさ・風景づくりについて
昨年9月、四国で開会された、全国利き鮎大会で北山川産の鮎が準グランプリを獲得し、水質の良さを改めて実感したわけですが、漁業組合の協力も仰ぎながら、村の賑やかさに結び付けられたらと思います。
その他については、村の風景作りであります。
これは、休耕地や耕作放棄地の再生利用推進と獣害対策とを併せた対応をしてまいります。
中でも獣害は深刻であり、重点課題の一つであると認識をしております。