くらし 令和7年度 施政方針(2)

■道路整備について
私見ではありますが、既存の国道425号の道路改良事業では効果は薄く、加えて、425号は坂本、池原ダム湖の左岸を通り下北山村に抜けるルートであり、この改良工事では当村にとって恩恵は少なく、尾鷲と上北山村とをトンネルによる最短ルートで結ぶ構想が上策と考えています。
構想段階ではありますが、尾鷲市がこの構想、ルートに積極的であります。
勿論、事業化はこれからの話でありますが、上北山村の未来はこの構想に掛かっていると、強い思いを抱いております。
蛇足となりますが、NHKのプロジェクトXの再放送で明石海峡大橋架橋事業を最初に発案した元神戸市長の言葉として、“人生すべからく、夢なくしてはかないません”があり、何事も夢を見ないと叶わない、不可能だと思ってもチャレンジしなければ叶わないとの信念で事業を完遂されました。
あの明石海峡大橋と比べると、当該道路は小規模でありますが、これが開通すれば、まさに上北山村のみならず奈良県南部にとって一大転換となり得ます。
本村から尾鷲市までの所要時間は約15分となり、そのメリットは計り知れないと思っております。
大変な事業とは思いますが尾鷲市、上北山村、下北山村、紀北町の1市1町2村で連携を図りながら進めていく予定です。
この事業の完成後の上北山村の姿、立ち位置ですが、経済的には、様々な分野でのヒト・モノ・カネの動きが活発になると予想されますが、素通りによるストロー現象で逆に衰退を加速する恐れがあるため、そのような事態を招くことのないよう対策が必要となります。国道169号と紀勢自動車道とのアクセス向上、利便性向上を逆手に取り、逆に都市部からヒト・モノ・カネを呼び込むことを目指しております。
その為にはまずは魅力ある村づくりを心掛けていかなければなりません。
例えば、風景の良さがあげられると思います。これには時間を要するため、現時点から少しづつ準備をしなければ間に合わないと思っています。美しい風景は村民を和ませ、まさにウェルビーイングの一つでもあります。
一例をあげると、下北山村の桜祭りは10年後、20年後を見据えて桜を植えた結果だと思われ、その時の為政者は素晴らしい人物だと尊敬しております。
従って、我が村もこれにならい、開通後の風景が自慢できるものにしていきたいと考えており、村民の皆様のご協力をお願いしたいと思っております。
以上、内政においては、ウェルビーイング施策や観光産業を軸とした産業の振興等、そして外に向かっては、国道169号整備促進と併せて、尾鷲上北山道の事業化を目指し、開通後の村の姿を思い描き、魅力ある村づくりを目指し、村政運営にまい進していきます。

■令和7年度の主な事業
・やまゆり学園長寿命化改修事業…4億6,376万円
・健民グラウンド整備事業…4,499万円
・国標準準拠システム移行事業(戸籍・介護・後期)…3,566万3千円
・林道サンギリ線改良事業…3,326万5千円
・林道橋梁定期点検事業…3,088万2千円
・村道橋梁定期点検事業…1,990万円