- 発行日 :
- 自治体名 : 奈良県上北山村
- 広報紙名 : 広報かみきたやま 令和7年10月号(No.691)
問:川遊び来訪者増加に伴う環境負荷対策について
近年、SNS等を契機として上北山村の川遊びスポットが注目され、かつてない規模で来訪者が押し寄せています。
村の知名度向上や観光振興に寄与する好機ではありますが、その裏側では深刻な課題が急速に顕在化し、村の自然環境と住民生活を脅かす状況となっています。
具体的には、ごみの散乱や不法投棄などによる環境悪化、路上駐車や無秩序な駐車による交通障害、安全面の懸念、騒音やマナー違反による住民生活への悪影響、河川環境や生態系への持続的な負荷、といった問題が現れています。
こうした状況を放置すれば、村が誇る豊かな自然資源が損なわれるだけでなく、観光の質そのものが低下し、将来的には、来訪者数の減少や村のブランド力低下にもつながりかねません。
村として環境負荷軽減を最優先かつ最重要の課題として位置づけ、来訪者増を持続可能なものとするため、スピード感を持って仕組みを構築し、その方針を明確に示す必要があると考えます。
(1)環境負荷の軽減に向けて、村としてはゴミの持ち帰りの徹底を基本とし、看板設置や啓発活動を強化するとともに、繁忙期には道の駅駐車場の駐車規制や利用エリアのゾーニングを行い、警備員・監視員による利用者誘導やルール周知を徹底するなど、巡回体制の強化による安全確保を図ることが必要です。
さらに、河川敷の整備・区画整理に加え、繁忙期には臨時的に仮設トイレや簡易ゴミ集積所を設置するなど、利用環境を改善しつつ秩序ある観光利用を促す具体策を検討すべきと考えますが、ご見解をお伺いします。
(2)川遊び来訪者の増加は、ゴミ散乱や無秩序駐車などによる環境・生活への負荷を深刻化させる一方で、宿泊や飲食、特産品購入、道の駅や観光施設の利用といった村内経済の活性化にもつながる大きな機会でもあります。
村としてこの影響をどのように認識し、環境負荷の軽減と経済効果の拡大をどのように両立させるのか、自然を大切にしマナーを守って訪れる方々に今後も継続的に足を運んでいただく環境整備について、ご見解をお伺いします。
答:村長
(1)今夏の対応として、啓発面ではバーベキュー等の火気の使用、ゴミの放置、水を汚す行為を禁止する看板を河合、小橡地区の河川降り口に計21枚とクマ誘引防止協力看板2枚、川を大切に利用して頂きたい旨の啓発看板を15枚設置しました。また、道の駅駐車場には長時間駐車、ゴミの放置、バーベキュー等火気の使用を禁止するカバータイプ看板を設置しました。その他、お盆期間は毎日午前11時と13時に河合地区と小橡地区の屋外スピーカーにて、ゴミの持ち帰りを促す放送を行いました。利用者誘導やルール周知は、消防消化用給水管付近の村道及びに河川消防道に駐車されないよう、コーンを設置するなど対策を行い、道の駅の駐車場警備についてもガードマンを配置し、ホテル前薬師橋からの飛び込み禁止の注意喚起とホテル駐車場への進入防止のために、追加でガードマンを配置しました。このように村としても、出来る限りのルール啓発活動と駐車対策を行いました。
ゴミの問題は、先の啓発看板設置や屋外スピーカー放送による注意喚起の他、現場対応として、夏の繁忙期の環境パトロール員の増員のため募集を行い、2名体制をとっています。また、8月10日~17日の間、平日は住民課・企画政策課職員が、休日は管理職員が交代で河川巡回を行いゴミの回収を実施しました。
環境パトロール員によると、車、テント、人の数とも昨年より多いですが、ゴミの量は全体的に昨年より少ない印象だったようです。
一方で、道の駅や喫茶店の敷地内への大量のゴミの放置、道路端の側溝の中、電信柱のたもとへまとめて放置など、川から持って上がってから放置する人が増加している印象を受けます。
道の駅駐車場の駐車規制や利用エリアのゾーニングについて、利用目的によって駐車規制、エリア分けするとしても、実効性のあるものにするためには、案内人員を貼り付ける必要があり、キャパオーバーとなった車を、例えば、とちの木センターグラウンドに誘導するとなると、更に周辺住民との調整や追加の人員配置が必要になります。
河川敷の整備、区画整理にについては、火災時の消防活動上の観点から駐車禁止区域をペイントするなどは検討できると考えます。
仮設トイレや簡易ゴミ集積所の設置については河川敷では増水時に流失する危険性があり、国道端等では周辺住民のご理解を得なければならず、特にゴミ集積所については協力金徴収の場合は必須であり、無料の場合は人を配置しないと大変なことになると懸念してます。
今回ご提案頂いた案件を含めて、来年度に向けて、どのような対応をして行くのか、具体策について再度検討を重ねて参ります。
(2)村としてもオーバーツーリズムの状況ではあるが、一定の経済的恩恵はあると考えます。
道の駅と上北山温泉の8月の利用人数は道の駅の昨年8月の利用人数7,753人に対し、今年の8月は9,081人で昨年の約1.2倍、売上は1.14倍、上北山温泉の昨年8月入湯者数2,783人に対し、今年の8月は4,535人で昨年の約1.6倍、売上は1.87倍でした。
環境と経済の両立を目指す上で、抜本的な対策が打てれば良いのですが、決め手が無く、試行錯誤を繰り返しております。周辺町村の情報収集を行いながら、地元住民の方々のご理解を得られるよう、継続して警備員配置と環境パトロール巡回、啓発看板設置、屋外放送によるマナー遵守を促す対策を行うとともに、更なる対応を検討し、今後も継続的に訪れていただけるようブランド価値の向上に取り組み、快適かつ安心して楽しめる上北山村の川であり続けられるよう努力して参ります。
■福西議員
様々な問題解決の方法を役場だけで考えても限界があり、事業を増やしてもオーバーワークにもなるので、他の地域団体と協議会をつくって、こういったごみ問題について取り組むのはどうですか?
答:村長
協議会の発足について、村民の方のご協力が得られるのであればいいと思います。そのような形で進めていけるのなら、村民が自ら自分の村は自分で守っていくという意識の向上につながると思います。
その辺りについて、担当課等々と検討してまいります。
