くらし 地域活動応援日誌 Day.40

■発信機の取り付けによる、太田地区サル被害対策
地域おこし協力隊 阪倉祐貴

今年3月、小匠区の出合小学校跡地に設置していた大型檻にてサルを捕獲し、発信機を取り付けました。ニホンザルの被害対策はただ闇雲に捕獲すれば良いものではなく、群の現状を調査し計画的に対策していくことが必要です。発信機を用いることで、行動域(どこからどこまで移動しているか)や頻出場所(餌場・寝床・通り道)などが把握でき、効率的な捕獲や頭数調査が可能になります。さらにはLINEグループやメーリングリストなど、現在地を即時的に情報共有できる仕組みを作れば、被害を事前に防いだり、住民集団での追い払い隊の実施も可能になります。
サルの群は頭数、餌の状況(山にサルの食べ物があるか)、人馴れ具合により、捕獲か追い払いかの取られる対策方法が変わってきます。そのため、群ごとに発信機を取り付け、それぞれに適した対策方法を取っていくことが望ましいです。
出合の近隣では、小匠区の諏訪神社周辺や長井区県道沿いの共同田んぼが被害に遭っています。昨年は南大居の小学校で生徒たちが丹精込めて作った校庭菜園も荒らされました。出合小学校で発信機を取り付けた群がこれらの被害をもたらした群である可能性も十分あります。別の群であるなら、また発信機の取り付けが必要となります。
出合小学校の群の現状を把握しつつ、同時にそれぞれの群への発信機の取り付け、目標頭数を定めた計画的な捕獲、群の特性を考慮した防獣柵の設置、情報共有できる仕組みづくり、組織的追い払いなどを実施し、今回の発信機の取り付けを皮切りに、一時期滞っていた太田地区でのサルの被害対策をどんどん進めたいと考えています。