くらし 議会だより(3)

◆第521回 西ノ島町議会 9月定例会 一般質問(要約)
◇﨑津 惠吉 議員
・浦郷漁港周辺まちづくり計画について
「浦郷漁港周辺まちづくり計画」の構想は、地域資源の魅力を活かした「海業」の推進を軸に、観光、産業、定住、防災の各分野を横断する取り組みが盛り込まれている。
一方で、複数の構造的、運営的な課題が存在している。
(1)人口減少と空き家の増加
(2)交通アクセスの弱体化
(3)地域経済の衰退
(4)地域内連携の未成熟
(5)財源と制度設計の課題
この課題を解決して、スピード感を持って計画を推進するため、どのように取り組んでいくか町長に伺う。

回答 町長
「浦郷漁港周辺まちづくり計画」については6月定例会でも質問をいただいている。その際に、この計画は浦郷地区の活性化に向けて、計画策定に参画された皆様の思いが込められたものと認識していること、皆様の思いを一つでも多く形にできるよう、実現可能性や持続可能性の高いものから順次取り組みをすすめ中期財政計画などで議会の皆様にお示ししていくこと、この2点を答弁させていただいた。
改めて、本定例会において、﨑津議員より5つの課題が示されたところである。
人口減少による空き家の増加や担い手不足、地域経済の減退といった地域共通の課題感に加え、浦郷地区においては隠岐航路フェリーが寄港しなくなったこと、また集落の規模が大きいゆえに、店舗数も多く、その廃業により、以前とのギャップが強く感じられる面があるのではないかと推察をしている。
地域内連携が未成熟であるとのご指摘については、私もハード、ソフトの整備を行った後、運営体制を検討する際の懸念点と認識している。
浦郷を拠点に、町を訪れる方の満足度を高めながら、西ノ島を「見て」、「食べて」、「遊んで」、「泊まって」と繋いでいくには、関係者それぞれが繋がり、お互いの利益を高め合う関係を作っていく必要があると考える。
浦郷地区は町の主要産業である漁業の拠点であり、畜産業を支える放牧地であり、国賀海岸観光船の発着点でもある。コミュニティ図書館や島根鼻キャンプ場、飲食店など、周辺施設まで併せて高いポテンシャルを有していると認識している。まずは、地域で入手可能な水産資源を活かすことを狙い、水揚げされた水産物の加工や提供、保管などができる施設について、財源と合わせて、検討を進めたい。

◇恩田 裕行 議員
・危険空き家の優先度と執行について
近年、町内には管理が行き届かず老朽化が進み、倒壊や崩落の危険がある空き家が増えている。現状では、所有者の特定が困難であったり、行政手続きに時間がかかることで、危険な状態が長期間放置されるケースも少なくない。
町として危険度の判定基準を明示し、執行の優先順位を住民にわかりやすく示す必要がある。そこで、次の3点について町長に伺う。
(1)危険空き家への対応状況について
(2)立地条件に基づく優先順位づけについて
(3)自然災害時の緊急対応について

回答 町長
(1)本町では「西ノ島町空家等及び空き地対策計画」を策定しており、令和5年度に専門家に委託して空き家の危険度調査を実施したが、結果として「特定空家等」に該当する事例は確認されなかった。そのため、直近3年間での法的措置は実施していないが、平成30年度に2棟の解体を代執行した経過がある。
また、毎年集落支援員による独自調査を行い、老朽化により近隣等に迷惑をかける恐れのある空き家については、所有者へ是正依頼を行っている。
(2)立地条件に基づく優先順位づけの設定については、調査の際の評価項目として「道路等の通行人又は隣接地に対する影響」に加え、「景観を著しく害する」、「自治会等の地元組織から要望がある」などの項目があるが、通学路や避難路、観光動線といった位置づけは問わず、道路や隣接地に影響がある場合は加点する形をとるため、質問にある優先順位とは考え方が異なるものである。
(3)強風や地震などにより、家屋倒壊の恐れが生じた場合の緊急対応については、「特定空家等」であるなしに関わらず、自然災害時と同様、「西ノ島町地域防災計画」に基づき、迅速に住民への周知、避難をさせ、通行規制などの措置を講じる必要があると認識している。
空き家はあくまで個人の財産であり、所有者が適切に管理することが原則である。行政側が数値目標を立てたり、優先順位を付けて整理や解体を進めていく性質のものではないと考えている。
町としては、令和5年度から「老朽危険空家等除却支援事業補助制度」を創設し、倒壊の恐れがある空き家の除却を支援しており、今後も周知を進めながら適正管理を促していく。