くらし 認知症とともに いきいきと暮らせる岡山県へ(1)

急速な高齢化の進展に伴い、わが国の認知症の人の数は増加しています。15年後の令和22(2040)年には、高齢者の約3.3人に1人が認知症またはその予備軍とされる軽度認知障害になると推計されています。認知症は誰もがなりうるものであり、家族が認知症になることを含め、多くの人にとって身近なものとなっています。
認知症になってからも希望を持って自分らしく暮らし続けることができ、認知症の人も含めたすべての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
岡山県知事
伊原木 隆太

■「新しい認知症観」へ転換
「新しい認知症観」とは、認知症になったら何もできなくなるのではなく、認知症になってからも、一人ひとりが個人としてできること・やりたいことがあり、できる限り住み慣れた地域で仲間等とつながりながら、希望を持って自分らしく暮らし続けることができるという考え方です。

●古い認知症観
認知症になったら…
・何もわからなくなって、できなくなってしまう
・地域で暮らすのは無理
・全部周囲が決める
・認知症は恥ずかしい、隠す

●新しい認知症観
認知症になっても…
・わかること、できることがたくさんある
・地域の一員として共に暮らし、活躍できる
・本人が決める(決められるように支援する)
・認知症でも自分は自分、自然体でオープンに

認知症の人やその家族は、認知症の診断を受けても、人としての尊厳が守られる生活の継続を願っています。ただ守られる存在ではなく、社会とつながり、役割を担って生きたいと望んでいます。そのためには地域の方々のさりげない応援と少しの心配りが必要です。認知症は人ごとではなく我がことです。誰もが認知症になる可能性があります。あなたや家族のために「安心して認知症になれる岡山県」を目指しましょう。
認知症の人と家族の会 
岡山県支部代表 安藤光徳さん

●「新しい認知症観」の理解のための一歩
▽地域の理解者・応援者に 認知症サポーター養成講座
「認知症サポーター」は、認知症を正しく理解し、地域や職場で温かく見守る応援者です。
認知症についての知識を学び、あなたも認知症サポーターになりませんか。

▽認知症への理解を深める 認知症カフェ
県内には、地域住民、介護や福祉等の専門家など、誰でも気軽に集える「認知症カフェ」がたくさんあります。
認知症について知りたい、考えたいという方は、ぜひ一度訪れてみてください。

●こんな取り組みも
▽自分ごととして考えるきっかけに VR認知症体験研修会
県では、認知症特有の症状を、VRシステムによって疑似体験できる研修会を開催しています。
共生社会の実現のために、私たち一人ひとりが認知症を自分ごととして考え、理解を深めるきっかけにしてください。