くらし クローズアップひと
- 1/44
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県井原市
- 広報紙名 : 広報いばら 2025年8月号
■戦争の記憶を次の世代に語り継ぎたい
戦争の記憶を風化させないための平和の語り部活動に注力
惣臺八十八(そうだいやそはち)さん(78歳)=井原市遺族連合会会長(西江原町)=
▽なくならない戦争の記憶
戦後80年の節目を迎え、今の私たちが平和に暮らせている日常からは想像することができない、戦争の悲惨さについて語る惣䑓さん。「父は3人兄弟の次男で、兄弟がそれぞれの戦地に向かい、長男は戦地で亡くなりました。父の戦友から当時の生々しい戦況について聞かされましたが、この話を自分の中だけにとどめておくのではなく、戦争を経験した者の生の声として次の世代に語り継ぎ、戦争の記憶として残していくことが、平和な世の中を保つことにつながるのではないかと思いました」
▽戦争の記憶を次の世代へ
市内の小学校を中心に、こうした戦争の記憶を次の世代に語り継ぐための“語り部”活動に注力されている惣䑓さん。「今の平和があるのも、戦禍の中でそれぞれの人生を全うされたご先祖あってのもの。ただ、時代の流れと共に、戦争で亡くなった人たちやご先祖を敬う気持ちも変わってきていると感じています。そういった中ではありますが、次の世代を担う子どもたちへ向けて“戦争は絶対にしてはならない”というメッセージを戦争の記憶と共につないでいきたいと思っています」