文化 ガラスにまつわるエトセトラ

妖精の森ガラス美術館 三浦 和

今回は現在開催中の迫田さん展覧会の作品解説です。
展示会場に合計3点展示している「weather report(ウェザーリポート)」シリーズは作品名の通り、天気を題材にしたオブジェ作品です。晴れや雨、曇り、雷などを色や装飾で表現したガラス作品で、照明を組み込んでガラス部分が光る作品も展示しています。
作品を作る基本の技法は吹きガラスです。雲の部分は白い色ガラスをねじってかたちを作ります。雲のバックにある楕円部分も吹きガラスで形をつくるのですが、冷めた後に内側の中空部分に特殊な塗料を塗付する「シルバリング」という技法で鏡のような反射を作っています。シルバリングの反射を活かしてギラギラた「晴れ」のイメージ、サンドブラストですりガラスにして「曇り」のイメージ、水色のガラスと組み合わせて「雨」のイメージなど、様々な表情に仕上げています。金属素材を組み合わせて雷をイメージしたものもあります。
迫田さんは古代ガラスの復元を得意とする作家ではありますが、ユニークな造形作品も数多く発表されています。ご来館の際にはじっくりとご覧ください。

お問い合せ先:妖精の森ガラス美術館
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