- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県吉備中央町
- 広報紙名 : 広報きびちゅうおう 2025年5月号 Vol.247
~町内にある文化財を探訪してみよう~
【伊達弾正館跡(だてだんじょうやかたあと)】
町指定重要文化財(史跡)
■解説
鎌倉幕府は、西国への勢力拡大のため、東国の御家人を地頭として送り込みました。その内の1人であった伊達弾正朝義(だてだんじょうともよし)は、文永11年(1274年)に幕府から転封を受け、家臣を派遣して、居館やその他の準備をさせ、居館を置いた野山へ弘安3年(1280年)以降に移り住んだと言われています。朝義の所領地は、槙谷や日羽、宍粟(しさわ)(総社市)、有漢(高梁市)、舞地(吉備中央町)などに及びました。
現在、曲輪(くるわ)の跡は確認できますが、主要平坦地(本丸)約36a(アール)をはじめ、ほとんどが林となり、尾根の最頂部にある曲輪に土塁の一部を残している状態です。
■吉備中央町文化財保護委員からのワンポイントアドバイス
〔安達輝政(あだちてるまさ)委員〕
伊達弾正朝義は、日蓮の熱心な信者で、弘安4年(1281年)には、居館の北方に妙本寺を建立しました。妙本寺は、のちに日蓮宗の西国における布教拠点の1つとなりました。この居館は、防御には不向きな立地条件のためか、その後、北北西約1kmの山中に野山城、その東裾に古和田城が造られています(城の名称は諸説あります)。
館跡付近には駐車場がないので、見学される場合は、妙本寺駐車場に車を置き、徒歩で行かれることをおすすめします。妙本寺駐車場からは、県道脇の消防器庫前を通り山道の入口まで約600m(徒歩9分)、山道入口から土塁まで約250m(徒歩6分)の距離です。
季節によっては、山道の草刈りが間に合っていない場合がありますので、足元には十分気をつけて通行してください。
お問い合わせ先:教育委員会事務局 生涯学習班
【電話】0866-56-9191