- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県吉備中央町
- 広報紙名 : 広報きびちゅうおう 2025年6月号 Vol.248
~町内にある文化財を探訪してみよう~
【小森薬師寺堂宝篋印塔(こもりやくしじどうほうきょういんとう)】
町指定重要文化財(石造美術)
■解説
小森の薬師寺堂にある高さ2.25mの花崗岩製石塔です。銘文は定かではありませんが、昭和63年発行の『加茂川町の文化財 改訂』に、拓本により「康暦弐季(こうりゃくにき)」と判読したとあります。「康暦」は南北朝時代1380年頃を指します。
宝篋印塔とは、宝篋印陀羅尼(ほうきょういんだらに)の経文を納めた塔のことです。方形の基礎・塔身・蓋(ふた)からなり、蓋の上に相輪が立てられています。蓋の四隅に隅飾り突起がついているのが特徴です。
■吉備中央町文化財保護委員からのワンポイントアドバイス
〔海士部 勲(あまべ いさお)委員〕
小森温泉湯元から高さ20mほど上ったところに宝篋印塔はあります。本年3月に訪れた時は草が丁寧に刈ってあったり、竹が間引いてあったり、コンクリートで階段が付けられていて、環境整備のすばらしさに驚きました。
宝篋印塔のある薬師寺堂には3つの歴史的な石造物があります。平成元年発行の『加茂川町の石造物』によると、題目石(だいもくいし)(安政4年・1857年)、湯所地神塔(ゆしょじじんとう)(万延元年・1860年)、手洗石(てあらいいし)(亨保18年・1733年)と備考にあります。小森温泉湯元が享保17年(1732年)に開かれたことと合わせて地域の歴史を感じることができます。
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