しごと ETAJIMA GoON!Vol.46

“つなぐ・つながる”をテーマに市内で活躍する人やお店をリレー形式で紹介!

■魚商かぐら 店主
魚の仕立て人 川上大輝(かわかみだいき)さん

▽店舗紹介
江田島町切串の古民家を改修し、丁寧に熟成した地魚のお刺身や丼ぶり、フィッシュバーガーを提供している。店舗で使用する魚は、江田島・倉橋島を中心とした広島近海で漁や釣り方にこだわった魚たち。その魚を一尾ずつ丁寧かつ新鋭的な処置で魚のポテンシャルを最大限まで磨き上げています。

▽漁業に興味を持つ人を増やしたい。
「いいイシダイが入ったんですよ。しかも口黒です。」魚を見ながら笑顔で話す姿は、魚への愛情が伝わる、誰もが思い描く「魚屋さん」。
江田島町切串のKirikushi Coastal Village内にある「魚商かぐら」の川上さんは、お店に来てくれたお客様には必ず説明をする。「プロセスを知ると知らないとでは味も想いも違うので。」と、こだわりを話す。魚の知識と愛情は地道な情報収集の結果。

山口県岩国市出身の川上さんは、幼い頃に漁師だった祖父に買ってもらった魚の図鑑を、指跡がつくまで毎日見ていた。実際に見る魚と図鑑でみる魚のギャップに興味が増し、魚の知識もどんどん増えていった。
コロナ禍でリモートワークの仕事をしていたとき、広島市内でなくても仕事はできると移住を決断。移住したら魚屋さんをやるとの想いをもっていた。
「僕、江田島市には行ったことなかったんです。(笑)」と、移住の際の思い出を語る。
江田島市への移住は当初予定になかったが、空き家バンクが見やすかったり、案内してくれる方が優しかったこともあり江田島市への移住に想いも変わった。

Kirikushi Coastal Village内にご飯屋さんがほしいとの声や、切串に地魚を食べれるお店がなかったこともあり、お店を構えることになった。店舗は自ら改修し、オープンに備えた。プレオープンの時に切串地区にチラシを配ると、多くの人が来店され、その方たちが今でも常連になっている。この地区のポテンシャルを感じた。

お店は7月で3年目を迎える。「妻の協力がなかったら辞めていたかも。妻の協力が大きい。」仕事をしながらも休日には何も言わずに手伝ってくれ、川上さんがやることに共感してくれる妻の存在が向上心の源。お店の営業日以外は、魚の仕入れで漁師の方と話したり、市場へ足を運ぶ。その足で知り合いを訪ね、魚の状況について情報収集し、最新の情報を得る。
「楽しいですよ。朝早くて眠いのがしんどいくらいですかね。(笑)」
笑いながら話す姿は小さい頃に魚の図鑑を見ていたころと変わらないのだろう。

これから漁師が少なくなると思う。漁師の方と話すからこそ感じる。「お店に来る人でここをきっかけに漁業に興味を持ってもらいたい。正直、市場で魚を仕入れる方がいろんな魚が揃う。でも江田島市の水産を盛り上げることが目的なので地元の漁師から魚を買うし、地魚を使う。」果てのない目標かもしれない。でも「地魚」を通じて川上さんが発信するメッセージは確実にお客様に届くのだろう。根拠は魚への愛情と確かな情報収集だ。

▽店舗情報 魚商かぐら
開店時間:水・金・土曜日午前11時~午後6時
※火曜日は午前11時~午後4時WEARHOUSE(大柿町深江)で営業
場所:江田島町切串2-1-2(Kirikushi Coastal Village内)
予約:予約はLINEから