文化 つむぐ通信シリーズ連載その109

■江田島市地域おこし協力隊
国際交流支援員:大方芳恵
観光事業総合プランナー:山田京子
オリーブブランドクリエーター:鉄増千夏
里海コーディネーター:向井綾香

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■今月は鉄増千夏(てつますちなつ)さん
地域おこし協力隊として4月に着任した鉄増千夏と申します。
江田島市は、私にとって特別な場所です。幼い頃から祖母の家を訪れては、お盆やお正月を一緒に過ごしてきました。祖母が作ってくれた「ぼたもち」の味や、「あんたは、どこに出しても恥ずかしくないけぇ、自信持ちんさい」と励ましてくれた温かい言葉が、今でも心の支えです。

▽オリーブ栽培の出会い
私は植物を育てることが好きで、広島で暮らしていたアパートの庭でさまざまな植物を育てていました。そこで、オリーブの木に出会い、美しさと力強さに魅了されて栽培を始めました。土に触れ、自然と向き合ううちに、自分も元気をもらい食事もおいしく感じられるようになりました。自分で育てたオリーブを使って料理をする夢が、私の心を動かしたのです。現在
は、夫と二人で市内の遊休農地を借りてオリーブ栽培を行っており、今年で4年目を迎えました。4年前、初めて2粒の実を収穫した感動は今も鮮明に残っています。当初は農業経験もなく、地域とのつながりもほとんどなかったので、畑を借りられたときの喜びは今も忘れられません。栽培の知識が乏しく、何本もの木を枯らしたこともありましたが、少しずつ経験を積み重ね、現在では60本のオリーブの木を育てています。土地の特徴や環境についても理解が深まり、管理の工夫を重ねることで木々の生育も良くなってきています。
オリーブ栽培は、草刈りや病害虫対策など、日々の管理が欠かせません。特に「オリーブアナアキゾウムシ」の防除に注意を払っています。夜明け前に畑へ向かい、草を刈り、土を耕す時間は、忙しない日常とは異なる充実感に満ちています。
市内には、収穫したオリーブを搾油し、オリーブオイルとして出荷できる体制が整っており、そのオイルは世界的な賞も受賞しています。先日、店舗での研修に参加したときに、多くの人が商品を手に取る様子を目にし、「いつか私たちのオリーブもここに並ぶ日が来るんだ」と胸が熱くなりました。最近では、オリーブを使ったハンドクリームなどの加工品も人気があり、『えたじまーれ』でサンプルを試すことができます。

▽今後の活動
現在は「オリーブを知る」「地域を知る」ことをテーマに、農家や企業、店舗を訪問しながら栽培技術や地域資源を学んでいます。活動の様子は、Facebookでも随時発信しています。
しばらくは「知ること」に重きを置きつつ、江田島市の美しい自然と風景を守りながら、オリーブが地域の産業としてさらに発展していくよう取り組みます。そのために、生産者の皆さんと連携し、一本一本のオリーブの木を大切に育てていくことが重要だと感じています。相談は、オリーブ振興室まで連絡してください。
江田島市は、豊かな自然と温かい人々が暮らす素敵な町です。地域の魅力を再発見し、地域の活性化につながる活動に携われることを心から嬉しく思います。地元の方々と力を合わせて、江田島市の素晴らしさを次の世代へ伝えていけるよう努めていきます。これからもお願いします。