しごと ETAJIMA GoON!Vol.48

“つなぐ・つながる”をテーマに市内で活躍する人やお店をリレー形式で紹介!

■どの工程もいい状態を判断している。
有限会社前水産代表取締役 前太賀(まえたいが)さん

▽会社紹介
海産物や水産加工品の卸・小売りとして平成2年に会社を設立。漁師ならではの経験と知識を活かし、瀬戸内で獲れたちりめん・いりこ、乾燥なまこなどの海産物を製造・販売する。「人と自然に優しいモノづくり」を理念に、瀬戸内より心を込めて商品を届ける。

真新しい工場の外では潮風とともに湯がいたカタクチイワシのいい匂いとイワシ網漁の忙しさを同時に感じられる。
海をバックに写真を提案したが「綺麗な事務所で。(笑)」と恥ずかしそうに前太賀さんが応えた。

能美町鹿川でイワシ網漁から加工までを自社で行う前水産は、昨年9月に太賀さんが代表者に就任した。「忙しい毎日ですが、その分、自分の成長や仲間との達成感を強く感じられて、今が一番やりがいを感じています。」と若きリーダーは会社に新たな風を吹かしている。新工場設立もその一つ。
10代の頃から家業に携わる太賀さんは、自身も製造工程に携わるため、こだわりを聞くと「たくさんありますよ。(笑)」と顔つきが変わった。
「前水産では、良質なイワシを厳選して漁獲し、鮮度を損なわないよう迅速かつ丁寧に運搬。その後の湯がきや乾燥といった加工に至るまで、一貫して品質にこだわった製造を行っています。だから製品には自信があります。」力強い応えには納得してしまう。
自信をもって販売する製品だからこそ「前水産のモノはいい」と言われるとやっぱり嬉しい。
魚がなかなか獲れないと言われるが、工夫をしながら最善の状況を判断して漁にあたる。しかし、不安は他にもある。「魚離れが心配です。料理でもいりこで出汁をとらなくなっていますしね。もっと魚を食べてほしいです。」環境の変化だけでなく普段の食生活の変化も前水産には影響が大きい。
忙(せわ)しなく過ぎていく日々の中でも、休日は家族で過ごす。2児のパパでもある太賀さんは「ずっとこどもと一緒に遊びたかったので、今が一番楽しいです。早く大きくなってほしいってずっと思ってました。(笑)」
アウトドア派の太賀さん。「江田島市は海も山もあって広島市へのアクセスもいい。堅苦しくなくていいですね。」江田島市での子育ても垣間見れた。

まだまだ会社経営は始まったばかり。「今はすべての工程の精度をあげて、もっと良くしていきたい。会社として強く、みんなが(働いて)楽しい会社にしていきたい。」と既に先を見ている。
代々受け継がれてきた伝統に、若きリーダーの新しい風を加えることで、太賀さんならではの「前水乃風」となることを期待する。

▽会社情報 有限会社前水産
住所:江田島市能美町鹿川3441-64
【電話】0823-45-5471
営業時間:午前9時~午後3時(臨時休業する場合あり)