くらし 長門の人61

■藤井(ふじい)美葉(みよう) (雅号 藤井(ふじい)翠仙(すいせん))さん
「第75回全日本書芸文化院全国書道コンクール」で、総務部門のトップである代表賞を受賞された藤井さん。言葉の想いを大切に、一文字一文字、心を込めて書き続けている藤井さんに話を伺いました。

○書道を始めたきっかけは?
小学校2年生の頃、母に連れられ兄と一緒に近くの書道教室へ行ったのが最初です。一度離れた時期もありましたが、結婚後に再び書道教室とご縁があり、気づけば30年以上続けてきました。静かな空間で筆をとると、心がすっと整い無心になれるんです。辞書を引いて漢字を調べたり、古典の字に触れて「こんな時代にこんな字を書いていたんだ」と思いを巡らせたりする時間が好きで、私にとってとても豊かなひとときです。また現在は、私の子どもたちが小学生になった頃から始めた書道教室で、地域の子どもや大人の方に書道を教えています。

○総務部代表賞を受賞したときの気持ちは?
驚きがいちばんでした。これまで、そのときに書きたいものを作品にして出品してきました。今回は、雑誌で紹介されていた「馬鳴寺根法師碑」の字に惹かれ、この古典の持つ厳しさや風格を意識して作品を仕上げました。30年以上出品してきましたが、今回総務部門でこのような大きな賞を受賞したことで、これまで積み重ねてきたことを評価いただけたような気がして、とても嬉しいです。また、こうして書道を続けられているのも、家族や周囲の支えがあってのことなので、本当に感謝しています。

○書道の中で大切にしていることは?
まずは「楽しむこと」です。楽しい、好きという気持ちが色々な書に触れることにつながっていきました。私は、まず言葉を選びイメージを形にしていくのですが、年月とともに感性や書の形も変化しています。正解のない書道は、奥が深く楽しいです。

○これからの目標・挑戦したいことは?
目標というより、変わっていく自分の書を楽しみながら続けていければと思っています。私は、長門の風景が好きで、自然に関する言葉を書くときは長門の景色を思い浮かべながら書いています。長門市に移り住んで20年以上になりますが、豊かな自然と人の温かさが、私の書に大きく影響していると思います。また、書道教室で子どもたちや大人の皆さんと向き合う時間も、自分にとって学びが多く特別な場所となっています。これからも地域と人のつながりを大切に書に向き合っていきたいです。