しごと 挑戦するかがわのものづくり企業(83)

◆株式会社コート
【住所】三木町下高岡3222
設立:1989年
従業員数:55人
【電話】087-898-6001
【HP】https://www.kotokoto.co.jp/

交通社会に不可欠な「道路標識」の製造を手掛けて約70年。人々の安全安心を守る高品質かつ柔軟なものづくりを生かして、新たな分野開拓を目指す香川の企業を紹介します。

■「道路標識」を見る目が変わる!インフラを支える人の手仕事
◯四国の道路標識は7割が三木町産
日常生活で必ず目にする数々の道路標識。四国地方の多くの標識と、関西地方の高速道路に設置されている標識の8割は、実は三木町の企業でつくられていることをご存じでしょうか。
企業名は株式会社コート。経路案内や交通ルールを示すものだけでなく、災害情報表示や路面標示、名所旧跡の案内板から水辺に設置する安全啓発の看板まで、その種類は多岐にわたります。一般的な看板と異なるのは、十数年の長期間屋外で雨風や紫外線、排気ガスにさらされても劣化しにくい、圧倒的な耐久力の高さです。
標識のデザインの多くは法律に基づいて決まっていますが、「逆光でも見やすい構造」「トンネルや夜間でも見やすいLED内部照明機能」「触れても怪我をしにくいように金属板の縁を丸めたカール板」など、同社独自のアイデアも豊富。デザインや印刷・塗装まで含めた工程を自社で行うことができる、全国でも珍しい自社一貫製造体制が、柔軟なものづくりを支えています。
代表取締役社長の堀具王(ほりともお)さんは「瀬戸大橋開通前は、必要な資材や協力会社が四国にないことも多く、自分たちで何とかしようとノウハウを蓄積していったのが一貫製造体制の確立につながった」と話します。

◯「正確に貼る」人の手仕事
標識は、金属板を所定の形に切り、視認性を高める反射シートを貼り付けて仕上げます。同社の前身は配電盤・分電盤などを製造する会社の道路標識製造部門として1956年に発足し、1989年に株式会社コートとして設立されました。設立当時は、重たい鉄板を素材とし、反射シートの文字も一つ一つ手で切り抜いていました。現在は軽量なアルミ板が主流。文字はパソコンで作ったデータを取り込み自動でカットするといった機械化も進んでいます。
それでも、カットしたシートを正確に貼り付けるのは、今も職人の手仕事です。この「正確に貼る」技術力を応用して、鉄道車両のラッピングを手掛けることも。車体の凹凸に合わせつつ、ラッピングシートの絵柄がズレないよう、数人がかりで貼り付けていく高度な職人技です。

◯技術の応用で新分野開拓も
豊かな発想力と、金属を扱えるノウハウや溶接技術を生かして、新たなものづくりも生まれています。その好例が、「ミニ標識」と「鉄道用簡易遮断機」です。「ミニ標識」は本物の標識と同じ技術と素材を使った3分の1スケールのインターネット販売向け雑貨で、ふるさと納税の返礼品としても好評です。「鉄道用簡易遮断機」は、標識の端材を利活用した、金属加工技術も生かせる期待の新製品。踏切遮断機のない農道などに注意喚起のために設置するもので、全国規模での本格的な普及が始まっています。
「公共製品である標識の高い品質を守りつつ、道路・鉄道分野での知名度と小回りが利く製造体制を強みに、ものづくりの種をまいていきたい」と堀さん。社内提案制度などを通じて若手の発想力を刺激し、新しい可能性を切り開こうとしています。

問い合わせ先:(公財)かがわ産業支援財団 取引支援課
【電話】087-868-9904