文化 あの美しい石垣をもう一度 (79)

■石垣の見えない工夫「力石」とは?
丸亀城の石垣修復では、元の石材をできる限り元の位置に積み直すことを原則としています。しかし、左右の石材に比べ、もともと奥行き(控え)が短い石材は、安定性を確保するための工夫が必要です。奥までしっかり差し込めず浅く据えられるため、前方に押し出される「孕(はら)み出し」が起きやすくなります。さらに、急な角度で積む必要がある場所では滑りやすくなることがあります。加えて、上の石材の控えが長い場合、接点が十分に取れず摩擦が少なくなるため、不安定になることもあります。
そこで活躍するのが「力石(ちからいし)」です。力石は、短い石材の背後に設置し、奥行きを補うことで、上下左右の石材との接点を増やし、全体の安定性を高めます。さらに、崩落で割れて元の位置に戻せない石材を再利用して力石として活用することで、文化財の価値を守りながら資源を有効に使っています。こうした工夫により、石垣はしっかりと組み合わさり、長い年月に耐える強さを取り戻します。
普段は目にすることのない力石ですが、その存在が丸亀城の石垣を裏側から支え続けています。次に石垣を眺めるとき、ぜひその見えない努力に思いを馳せてみてください。

問い合わせ:文化財保存活用課 丸亀城管理室
【電話】23-2107