イベント 現代アートの祭典 瀬戸内国際芸術祭2025

瀬戸内国際芸術祭は、2010年の第1回以来、3年ごとに開催される現代アートの祭典です。
コロナ後初、6回目の開催となる瀬戸内国際芸術祭2025では、より多面的に瀬戸内の魅力を伝え地域の活力につなげるため、香川県側の沿岸部(志度・津田エリア、引田エリア、宇多津エリア)が新たに加わり、全17エリアで展開していきます。
今回は、小豆島・豊島の作品のうち、新たに加わった6作品をご紹介します。
この機会に、ぜひ足を運んでみてください。
会場:直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、高松港エリア、宇野港エリア、瀬戸大橋エリア(春)、志度・津田エリア(夏)、引田エリア(夏)、宇多津エリア(秋)、本島(秋)、高見島(秋)、粟島(秋)、伊吹島(秋)
日程:
・春会期…4月18日(金)~5月25日(日)
・夏会期…8月1日(金)~8月31日(日)
・秋会期…10月3日(金)~11月9日(日)

◆小豆島の新規アート作品
◇山
作…ソピアップ・ピッチ
場…迷路のまち
本作は日本の木々が剪定されて整っていることに着想を得ている。剪定されている木とされていない木が並んでいても違和感なく、つながりを感じられることに興味を持った作家は、様々なものがきれいに整えられている様子を表現する。作品を設置する空き地の奥には山が見えるが、手前に立ち並ぶビルが視界を遮っている。ビルに重なるように作品を設置することで視界からビルを消し、また視覚的に作品と山を接続することを試みる。

◇うみのうつわ
作…長澤伸穂
場…迷路のまち
光ファイバーを編み込んだ船によって脈動を視覚的に表現した作品。暗い空間に足を踏み入れると、波の満ち引きの音に包まれ、青白く発光する浮遊した船が現れる。鑑賞者は船の中に横たわることができ、横たわると、ゆっくりと脈を打つように変化する光と心臓の鼓動が一体化したように感じられる。それは胎内にいた頃の感覚に近いのかもしれない。作品タイトルは「海の器」と「生みの器」の2つの意味をかけあわせている。本作は人生という無から生へ、そしてまた無に至る束の間の旅路の器、この世とあの世の渡し船となる。

◇黄金の海に消えた船
作…豊福亮
場…肥土山
小豆島の古びた倉庫が、黄金と水で装飾された竜宮城へと生まれ変わる。池や噴水、水芸の人形が織りなす水の世界を、貝殻で作られた奇形な建物が囲む。来場者はたらい舟に乗り水面を漂いながら、過去と未来、現実と幻想、様々な物語が交錯するひとときを体感する。

◆豊島の新規アート作品
◇再び言葉に満ちた部屋
作…ジェナ・リー
場…唐櫃岡
ララキア語(オーストラリア諸語のひとつ)で本質的な要素を表すGuyu-gwa(火)、Gara-wa(清水)、Gurrul-wa(風)の3つのインスタレーションが連動する作品。空き家という限られた空間を変容させ、再生産と内省のための器とする。それぞれの部屋は島の住民から借りた物を主役にし、地元の歴史や背景をもとに過去へとつなげていく。インスタレーションを通して変化に直面しながらも、言語、土地、文化を維持するために必要な日々の努力と回復力を照らし出す。

◇国境を越えて・祈り
作…リン・シュンロン[林舜龍]
場…甲生
2016年に小豆島大部港で制作した、世界の子どもの像が9年ぶりに瀬戸内の海に帰ってくる。甲生の海岸沿いの広場に、距離、緯度、経度、向いている方角などから、ある国の子どもたちを指し示して設置される。戦争・内乱など不安定な世界情勢のなか、子どもたちは潮風に吹かれながら、微笑み、胸に手を当て、柔らかい砂を踏みしめ、少し前かがみになるしぐさで、世界の平和と自分たちの未来、幸福と平穏を祈る。作品はメッセージとなり、ここから世界の隅々へ向けて、ポジティブなエネルギーを送る。

◇線の記憶
作…塩田千春
場…甲生
豊島で使用されていた素麺の製造機3台を設置して、赤い糸で空間とともに編み込む。素麺の製造機は、豊島の人々が「もういらないけれど捨てられない大切なもの」として作家に見せてくれたものを使用する。豊島に受け継がれる様々な生活や土地の記憶を、人々の声や残されたものを通して糸で紡ぐことで未来へと残す。

◆小豆島・豊島の展示作品(新規・継続)
※お住いの島の作品について、一部作品を除き無料で鑑賞できます。
◇小豆島

◇豊島

詳しくは瀬戸内国際芸術祭HPをご覧ください。