くらし 人権コラム

■移民・難民の権利~新たなコミュニティの形成~
◇移民とは?
移民の大多数は、仕事や家族、勉学などに関する理由で移住します。
全国の在留外国人は、2024年末で約360万人、香川には、約1万8千人が居住し、この10年間で、外国人居住者の割合が2倍以上に増加しています。
「不法移民」ということばを見聞きしますが、一般に不法滞在者のことを指します。不法に入国し、在留資格のないままその国に留まっている人、または、合法的な在留期間を過ぎ、在留資格を失った後もその国に留まっている人のことを言います。

◇難民とは?
戦争、紛争、飢饉、人種差別、宗教弾圧、政治弾圧、極度の貧困などさまざまな事情で母国を離れなければならなくなった人のことです。ロシアによるウクライナ侵攻により、避難を目的としたウクライナ避難民入国者数は、約2800人となっています。
移民との比較で難民者数はかなり少数と言えます。

◇移民・難民の権利
すべての人びとと同様に、移民・難民の人たちには、生きる権利、恣意的な拘禁や拷問を受けない権利、適切な生活水準の権利があります。また、教育の権利、信仰の自由、表現の自由、裁判を受ける権利、働く権利などがあります。

◇外国人に対する県民意識
1988年度に県が実施した「人権問題に関する意識調査」では、外国人の人権擁護について聞いたところ、「日本国籍を持たない人でも日本人と同じように人権は守るべきだ」と答えた人は56%、「日本国籍を持たない人は日本人と同じような権利を持っていなくても仕方ない」と答えた人は12%という数値でした。
文化の違いや社会的な背景、歴史を含めて、理解が十分でないことでできる言葉の壁、心の壁、制度の壁、文化の壁があります。調査から随分時が経過し、外国人への理解が進展していると想像します。
私たち受け入れる側の立場として、互いの社会、文化、生活習慣、価値観などの共通点と相違点を具体的に知ることで、多様な考え方ややり方があると気づくことができれば、外国人に対して身構えることがなくなっていくのではないでしょうか。言葉や文化などの違いなどは、一つの物事を多角的に見るための選択肢が増えることにつながるととらえることもできます。
自分の関心のある人権問題から他者の人権問題を互いに理解できる人権感覚や「郷に入れば郷に従え」の一点張りではなく多様なものを受け入れ、新たな価値を見出すことで新しいコミュニティの形成につながり誰もが住みよい街・地域の活性化が望めるのではないでしょうか。

問合せ:企画防災課人権同和室
【電話】75-6711