健康 市民医学講座 NO.250

◆今治で、看護師になろう
今治市医師会 会長 木本 眞
明けましておめでとうございます。市民の皆さまには、穏やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年6月に、県立今治病院の移転新築が決定されました。社会情勢の激変による紆余曲折はありましたが、知事・市長のご努力により建設が決定され、今治地域医療の中核病院として数年後には開院となります。誠に喜ばしく思っています。
一方、地域医療は全国的にも崩壊の危機に直面しています。皆さまご存知のとおり、今治地域においても、この2~3年間に病院の閉院や多数の病床の減少が相次いでいます。原因はいくつかありますが、大きな原因の一つに「看護師不足」があります。少子化や四年制大学志向・都会志向により、地域に看護師を確保することが困難になりました。看護師がいなければ患者さんのお世話や入院受け入れも出来なく、医療機関(特に病院)は持続いたしません。地域医療は崩壊します。
今治市と医師会は、今治地域に看護師の定着を目指して、令和7年度より、「看護師市内定着支援奨励金事業」を開始いたしました。新卒の市内就職看護師は5年間にわたり奨励金を受けることが出来ます。また、今治看護専門学校では、令和8年度入学生より、「授業料貸与制度」をスタートします。今治地域で看護師として3年間就業することにより、貸与された授業料を免除する制度を実施いたします。詳しくは、今治市および今治看護専門学校ホームページにてご確認ください。
地域医療は、医療機関のみではなく、今治地域住民の皆さまにより、「オール今治」で支えていただく必要があります。皆さまの中から、一人でも多くの方が『今治地域の医療に貢献する』との思いを持って、この今治地域で看護師になっていただきたいと思います。24時間、365日、片時も休むことのない医療が、住民の皆さまのそばに常にあることのできるように、今治市医師会は努力を続けて参ります。
本年が皆さまにとりまして、素晴らしい年でありますよう心から祈念申し上げます。
※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。