- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県今治市
- 広報紙名 : 広報いまばり 2025年11月号
◆ノロウイルスによる感染性胃腸炎・食中毒
今治市医師会 鈴木 快
冬は感染症の流行しやすい季節ですが厚生労働省の統計に基づくと過去5年間の食中毒患者の内、約半数がノロウイルスによるものでその内約7割が11月から2月の冬場に集中しています。
ノロウイルスは室温で約10日、気温10℃以下で約1カ月生存でき、凍結しても不活化せず、少量のウイルス量でも感染します。症状が治まっても1~4週間は便等の排泄物中にウイルスが排出され一般的なウイルスと違いアルコール消毒の効果がありません。
上記の特徴のため冬に流行しやすく感染の制御が困難になりやすいのです。
症状は感染後1~2日後に、1日数回~10回以上の嘔吐、下痢が十数時間から数日ほど続きます。治療は吐き気止めや整腸剤などで症状を緩和し、水分と栄養の補給を充分に行いながら安静にし症状が治まるのを待ちます。入院等の治療が必要とされることは多くありませんが、子どもや高齢者等抵抗力の弱い方は重症化することがあり死亡例もあるため、注意が必要です。
予防法としては(1)食事前、トイレの後、調理前後石けんでの手洗いをしっかりとする(2)調理器具・調理台は消毒の上食材はしっかりと加熱する(3)二次感染を防ぐため排泄物の取り扱いに注意する等がありますが、やはり日頃から感染対策を心がけることが第一歩と思います。
より詳しい説明や予防法が厚生労働省のホームぺージ等にも載っていますので一度読んでいただければ幸いです。
※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。
