文化 文化財

市指定文化財(書跡)
盤珪国師写経 4点
如法寺所蔵/大洲市立博物館保管

如法寺(臨済宗妙心寺派)には、開山の盤珪永琢(ばんけいようたく)の写経として、観音経(妙法蓮華経観世音菩薩普門品(みょうほうれんげきょうかんぜおんぼさつふもんぼん)第二十五)2点、般若心経1点、禅の要義を説いた楞厳咒(りょうごんしゅ)1点の計4点が残されています。
なかでも、寛文10年(1670)正月に書かれた観音経の内の1点と般若心経については、盤珪が自身の血で書写した「血書経」です。観音経の巻末の詞書(ことばがき)には、一文字書くごとに3礼をしたことが書かれています。如法寺は、この前年の寛文9年に現在地に建立されていますので、寺の安寧を願い書かれたものと思われます。
一文字も疎かにすることなく記されたこの写経からは、盤珪の人柄が偲ばれるとともに、血書経に込められた如法寺への強い祈りを伺い知る事ができる貴重な資料といえます。
(昭和40年1月1日指定)