- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県大洲市
- 広報紙名 : 広報おおず 2025年7月号
石燈籠(とうろう)
大洲市指定有形文化財(石造美術)
個人所蔵
この石燈籠は、旧大洲藩主加藤家の菩提寺である龍護山曹渓院(りょうござんそうけいいん)内の初代藩主加藤貞泰の廟所(びょうしょ)内に建てられています。高さは2.68メートルあります。燈籠には寄進者の名や寄進年月が彫り込まれることが多いのですが、この燈籠は風化が激しく文字の有無を確認することはできません。
ただ、この燈籠は貞泰廟所内の墓石と同じ花こう岩で、風化の度合いも同程度であることなどから、元和9年(1623)5月に没した貞泰の墓石と同時期に造られたものと推察されます。
墓石と同様、堂々とした大型の燈籠で、市内の石燈籠の中でも近世初頭の気風を残す優品であることや、市内最古級の石燈籠とみられることからも、大変貴重なものです。
(昭和37年11月3日指定)