文化 文化財

大やかん
大洲市指定有形文化財(工芸品)
個人所有

このやかんは河辺町川上地区に伝世する銅製の大やかんで、由来ははっきりしないものの、大洲藩主加藤家から拝領したものと伝わっています。
注ぎ口を含む横幅が380mm、取っ手を含む高さが495mm、蓋の部分の口径は210mm、容量は21.6ℓあり、かなり重みがあります。蓋と取っ手には「大奥南天」と文字が彫り込まれており、一説では、大洲藩江戸屋敷の南天の間で使用された水さしである、ともされています。
現所有者によると、「高森城跡で行われた雨乞いの際に、このやかんで茶を沸かした」という逸話が残されているそうです。
加藤家ゆかりの品の可能性もあり、貴重な資料といえるでしょう。
(昭和47年9月14日指定)