くらし CDO補佐官 鈴木邦和(くにかず)のDXのすゝめ(第31回)

近年、インターネットで買い物をする人はますます増えていますが、私たちが日々利用する宅配サービスの裏側では、AIがさまざまな形で活躍しています。
たとえばヤマト運輸では、天候や道路状況、荷物の量などをもとにAIが最適な配達ルートをリアルタイムで算出し、ドライバー一人一人に合わせた効率的な動きを支援しており、再配達の削減や燃料消費の抑制にもつながっています。さらに物流倉庫では、AIが在庫の出入りを自動で分析し、ピッキング作業(商品の取り出し)の順序や動線を最適化しています。これにより作業時間が大幅に短縮され、ヒューマンエラーも減少しています。
また、需要予測にもAIが使われており、季節や過去の傾向を分析して、事前に輸送体制を整えることが可能になっています。
AIは人の作業を奪うのではなく、人を支え、より安全で効率的な物流の実現に貢献しているのです。