文化 文化財

中江藤樹筆真吾説
大洲市指定有形文化財(書跡)
個人所蔵

本書は、中江藤樹(1608~48)本人の筆跡(真筆)で、本紙サイズは縦67cm、横48.3cmの書幅です。上段右寄りに大きく「吾」の一文字が強い筆致で書かれ、下段には7行にわたって楷書・行書・草書の書体を混ぜて、「吾」についての解釈文が記されています。藤樹によると、「吾」には後天的に得た「仮吾」と、もともとの本心である「真吾」の二つがあり、真吾を深く掘り下げていけば「良知」に至ると説明されています。
本書は、真吾の実現を良知とする藤樹の教えを究明する上で、貴重な資料として重視されてきたものであり、藤樹の書体を知る上でも重要なものです。
(昭和41年11月3日指定)