文化 【ふるさと魅力発信】久万美術館

■のぼって おりて またのぼる アートと福祉のはざまで(3)
4月末から始まった「のぼって おりて またのぼる アートと福祉のはざまで」。早くも2カ月以上が経過しました。通常、展覧会が始まったら展示室の景色は大きく変わらないものですが、本展では少しずつ変化を重ねています。
生活介護事業所さんかくやまに今年4月に入所した登山者(利用者)3名の作品は、当初数点ずつしか展示していませんでした。しかし、入所から日が経ったことで、作品が少しずつ増えてきました。例えば、当初は、豪快なペンのタッチが印象的な作品を展示していたGINGINさん。今の興味はクレヨンを削ること。その行為に夢中になっているといいます。削られた粉は、アイロンで画用紙に接着し、さまざまな色が混じった「作品」となり、展示室に並びます。
また、「みんなの痕跡を残そう!」のコーナーでは、折り紙やカラーテープなど、身近な素材で自由に工作を楽しんでいただけます。訪れた方々が夢中で手を動かす姿が見られ、制作物はどんどん増えています。
日々変化する本展。すでにご来館した方も、改めて訪れたら違う景色が見えるかもしれません。(品川)

▽学芸員のつぶやき
展示物の変化だけではなく、その時々の気持ちで展覧会の見え方は変わるもの。同じ展覧会を何度も見るのもおすすめです。

問合せ:久万美術館
【電話】21‒2881【HP】http://www.kumakogen.jp/site/muse/