文化 【ふるさと魅力発信】面河山岳博物館

■身近な絶滅危惧種 トノサマガエル
皆さんはトノサマガエルを知っていますか?水田などに生息し、10cm近くにもなる大型種です。実はこのカエル、愛媛県では絶滅の危険が増大している種として、絶滅危惧II類に選定されています。しかし、久万高原町では各地で普通にその姿を見ることができます。いったいなぜでしょうか?その理由は、水田周辺の環境にあります。
水田には井手(いで)とも呼ばれる、水の引き抜きを行うための水路が張り巡らされています。町内ではこの井手に水が入っている期間が長く、護岸されていないところが多いため、カエルが住みやすい場所になっているのです。また、水田の水を抜いてイネの成長を調整する「中干し」の時期も関係しています。松山市などよりも田植え時期の早い久万高原町では、中干しまでの期間に、オタマジャクシからカエルに変態できるのです。このように昔からの栽培方法が、トノサマガエルの生息に役立っていたのです。
今月19日から始まる特別展では、県内の絶滅危惧種を標本や写真で紹介します。トノサマガエルは生態展示も行いますので、ぜひご覧ください。(安田)

▽学芸員のつぶやき
博物館で飼育展示しているトノサマガエルはオスで、夜になると「グルルル…」と鳴くことも。野生の個体は警戒心が強く、近づくとすぐに逃げ出してしまいます。

問合せ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/