子育て 人権学習シリーズ 397

学校における人権教育(瀬戸中学校)
瀬戸中学校 教諭 大岩 高文
瀬戸中学校では、同和問題を軸にして、人権学習・人権教育に取り組んでいます。6月に実施した同和問題についての教職員アンケートから、私たち教職員の中でも同和問題に対する理解度や認識に差があることが分かりました。正しいことを生徒に伝えるためには、まず我々教職員から、ということで、積極的に教職員研修を進めています。教職員同士での研究協議、人権・同和教育通信を活用した啓発と共通認識の醸成に加え、夏期休業中には愛媛県人権対策協議会より講師をお招きし、御自身が経験した部落差別の理不尽さ、家族との関わり、部落差別をなくしていくためにはどうすればいいかなど、現実に即した内容で大変ためになる御講話をいただきました。この研修は愛教研西宇和支部の人権教育委員会と合同で実施し、外部の有志の方にも御参加いただいて、ただ講話を聞くだけでなく、それを受けてのグループ協議も実施しました。この協議は大変盛り上がり、参加された方々の思いや実体験、教員としてのこれまでの実践などについて熱く語っていただきました。参加者一人ひとりの見識が広がるとともに、部落差別解消に向けての意識を大きく高めることができるとても意義深い研修になったと感じています。
この研修を受けて、今後の瀬戸中学校の人権学習・同和問題学習を充実させるために、全校生徒を対象にした人権に関する意識調査を行いました。仲間づくりと人権・同和教育を2本柱として実施したこの調査によって、学校生活における悩みや心配ごと、人権問題や同和問題についての認識を確認できました。
さらに、全校生徒21名の小規模校であることを生かし、11月には、全校一斉での人権学習・同和問題学習を実施する予定です。この活動は、学校としての人権意識を高め、それを日常生活の中に生かしていくことを目標としています。全校生徒が共に学び、学年の枠を越えた多様な意見を交換しあうことを通して、いじめや差別を許さない学校づくりや仲間づくりを進めていく予定です。瀬戸中学校ならではの人権・同和教育を今後も推進していきたいと思います。