- 発行日 :
- 自治体名 : 高知県四万十市
- 広報紙名 : 広報しまんと 令和7年12月号
四万十市国際交流員 洪 帆(こう はん)
■秋の思い出
皆さん、こんにちは。だんだんと寒くなってきましたね。秋は本当に短くて、気づけばもう冬の足音が聞こえてきました。今回は、四万十市で印象に残った2つのイベントのお話です。
ひとつは「よさこい四万十」です。皆さんは見に行きましたか?あの日は本当に暑かったですね。私は踊り子として参加しましたが、照りつける太陽の下、音楽が流れると同時に鳴子の音が響き、自然と体が動き出しました。観客の皆さんも炎天下の中で立ちっぱなしなのに、私たちに向かって「がんばれー!」と声をかけてくれました。踊っているとき、私のチームもほかのチームも、みんな本当にいい笑顔でした。誰も手を抜かず、真剣に、そして楽しそうに踊っていました。小さな子どもたちも最後まで元気いっぱい。そのエネルギーはいったいどこから来るのだろう?と、心から不思議に思いました。特に印象的だったのは、天神橋で最後に登場したチームです。最後の音楽が始まった瞬間、会場の空気が一気に変わりました。踊り子たちの動き、叫び声、鳴子の音、すべてが一体になって、まるで熱気が夜空まで届くようでした。
もうひとつは、「四万十川ウルトラマラソン」です。私は大会の前日と当日に、総合案内を担当しました。当日の会場には、完走したランナーを扇子であおぐ家族や「パパ、お疲れ!」と叫ぶ子ども、息子や娘の応援のため午後からずっと会場で待っているおばあさんやおじいさんたちなどがいて、ランナーの方々は周りの方に愛されているなと思いました。
大会は、午前中は曇りでしたが、午後からは小雨が降り始め、夜になるころには本降りになりました。ランナーたちはびしょぬれになりながらも、ひたすら前に進み続けていましたが、時間がたつにつれて、リタイアするランナーも徐々に増えました。あるランナーが、案内をしていた私に「くやしい」と言いました。体力を尽くし、服も手もびしょびしょの彼から「スマートフォンをふいてくれませんか?」とお願いされました。私はティッシュで彼のスマートフォンの画面をふきながら、「頑張りましたね」と声をかけました。中国には「終わらない宴はない」という言葉があります。でも、だからこそ一つひとつの瞬間が、こんなにも輝いて見えるのかもしれませんね。目標に向かって走るその瞬間、みんながすでに輝いていると思います。
秋は短いけれど、心の中にはたくさんの思い出が残りました。これからの冬も、また新しい感動を見つけていきたいと思います。
◎よさこい四万十で踊りました
◎四万十川ウルトラマラソンで総合案内を担当しました
※写真は本紙25ページをご覧ください
国際交流員は、市内の学校や保育所、各種団体に出向き、中国文化について講演や交流活動を行っています。興味がある方はぜひご連絡ください。
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