くらし ちかちゃん営農指導員だより

土佐町 農畜林振興課
営農指導員 千頭健司

◆夏場の畑の管理について
夏場に畑を管理する際には、高温対策、水やり、土壌消毒、害虫対策などが重量です。
日陰になる場所や、遮光ネットなど利用して日差しを遮る、また、高温による高温障害を防ぎ、マルチングを利用して土壌温度を下げ、土壌の水分などを利用して、効率的な水やりを、心がけることも重要です。土壌消毒は、太陽熱消毒や土壌還元消毒が効果的です。

(1)高温対策
・日陰の利用…日陰になる場所に野菜を植えたり、日差しが強い時間帯は遮光ネットなどを利用して日差しを遮る。
・遮光資材の利用…遮光ネットや寒冷紗などを利用して、葉焼けや実焼けを防ぐ。
・マルチング…わら、落ち葉、ビニールシートなどを利用して、土壌温度の上昇を抑え、土壌の水分保持を促す。

(2)水やりについて
夕方以降の水やり…蒸発を防ぎ、葉焼けを防ぐため、夕方以降に水やりをするのが良い。

(3)土壌消毒について
夏場に畑の土壌消毒を簡単に行う方法として、太陽熱消毒がおすすめです。
畝を立てて十分な水分を与え、ビニ-ルで被覆することで、土壌の温度を上げて病原菌を殺菌します。太陽熱消毒は、薬剤を使わないため環境にも優しく、比較的簡単に実施できます。

◎太陽熱消毒の実施方法について
・畦立てと潅水…畑に畝を立てて、十分に水を張ります。
・被覆…ビニ-ルフィルムで畝を被覆します。隙間がないように密閉することが重要です。
・保温…3週間から1カ月程度、ビニール被覆を維持します。
・温度管理…土壌温度が60℃以上になるように、日当たりの良い場所を選びます。
・被覆資材の除去…消毒期間が終了したら、ビニール被覆材を剝がし、土壌を乾燥させます。

○太陽熱消毒のメリット
・薬剤不要…化学薬剤を使わないため、環境への影響が少ない。
・比較的簡単…手順がシンプルで、誰でも実施しやすい。

(4)病害虫について
根コブ病とネコブセンチュウの違いについて

▽根コブ病
・アブラナ科植物の根に感染し、こぶを形成して植物を枯らしてしまう病気です。
根コブ病菌は、土壌中に数年残り、トラクターや長靴についた土の移動や降雨などを通じて周辺の圃場に広がります。
※アブラナ科とは、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、白菜、小松菜、大根、水菜、カブ、青梗菜、菜の花等です。
・石灰などを施用して、土壌phを高くすると被害発生が軽減できる。
・土壌消毒の実施

▽ネコブセンチュウ
・ネコブセンチュウはナス科やウリ科の作物に発生し、線虫が根に侵入し、こぶを作ることで、植物は栄養や水分の吸収が妨げられ、成長不良になります。
※ナス科、ウリ科とは、ナス、トマト、ピーマン、キュウリ、メロン、スイカ等です。
・防除方法としては、マリーゴールドを植えると、センチュウを抑制する作用があり、センチュウを減少させることができます。