文化 あけてみよう! 歴史のとびら 190

■大野城心のふるさと館のおすすめ(19)
◆夏季特別展「光と遊ぶ!超体感型ミュージアム 魔法の美術館」」開幕
これまで、全国各地で展覧会を開催し、多くの人々を魅了してきた「魔法の美術館」が、この夏大野城心のふるさと館にやってきます。国内外で活躍するアーティストたちが作り出す作品が、光や音、動きに合わせて多彩な表情を見せ、世代を超えて楽しめる展覧会となっています。
今年の夏は魔法に合わせて「まじない」に関する資料として「呪符木簡(じゅふもっかん)」を紹介します。
呪符木簡とは、まじないのために使用され、災いや邪気を払うための呪文などを書いた木札のことです。大野城市でも牛頸本堂遺跡から3点出土しています。呪符木簡には決まり文句のような呪文があったり、日・月・口・鬼などの文字を組み合わせて記号のようにするものなどがあります。
そのうち2点は、それぞれに男女の顔と、「急々如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)」という文言が刻まれています。
この「急々如律令」は中国の漢代の行政文書に使用された文言で「律令に従い至急対処するように」という定型のものが、道教の呪文に取り入れられて呪文を唱えた人の命令に従い至急対処するようにという意味となり、鬼という字と組み合わせて「悪鬼よ早々に退散せよ」という邪気払いの呪文として使用されるようになったといわれています。
「魔法」そして「まじない」どちらにも共通しているのは人々の「願い」が込められていることです。時代や社会背景など今も昔も人々の願いは形を変えて続いていくものです。
大野城心のふるさと館も皆さんが楽しい時間を過ごせるよう、願いを込めて展覧会を開催します。
「見て、触って、参加する」光とアートが織り成す、まるで魔法のような体感型の展覧会を、お楽しみください。

◇特別展「魔法の美術館」
会期:7月15日(火)〜9月7日(日)

問い合わせ先:心のふるさと館ミュージアム担当
【電話】558-2208