文化 あさくら歴史散歩

市内の歴史遺産のロマンを追いかけるシリーズ

■三十八.蜷城をめざして鬼木佐太夫宗直(おにきさだいふむねなお)(3)
三奈木黒田家の忠臣鬼木左太夫宗直の最終回です。小隈における鬼木家での一件が黒田一貫(かずつら)に届いたのは早朝のことでした。一貫は死してまで主君を案じた宗直の忠義に感嘆しました。しかし、宗直の行為は主君に逆らったということにされ、鬼木家は取り潰されてしまいます。
一貫は宗直と約束したとおり、身を慎み賢君として家名を高めていきます。黒田長政の時代から仕えた多くの領地持ちの家臣が福岡本藩に領地を召し上げられる中、筆頭家老として1万6千石の領地を保ち続けることができた理由は藩主に忠義を尽くし、宗直のような家臣に支えられたからといえます。また、5代当主黒田一利(かずとし)は、宗直の忠義に感じ、領内の桑原村に一社を建て、宗直一家をまつりました。五所権現(ごしょごんげん)として現在も信仰されています。
天明6年(1786)に鬼木家は再興が許され、三奈木黒田家の家臣として幕末まで仕えています。

問合せ:市文化・生涯学習課
【電話】28-7341