スポーツ 特集1 バリアをなくそう!みんなでスポーツ編
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- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県遠賀町
- 広報紙名 : 広報おんが『おんがのおと』 令和7年12月号
これまでの社会は、障がいのない人に合わせてつくられているものが多く、障がいのある人にとってさまざまなバリア(障壁)が生まれてきました。
公共交通や建物のバリアフリー化は広がりを見せているものの、制度や意識のバリアに関しては、いまだに問題が残っています。
さらなるバリアフリー社会を広げていくためには、障がいのある人がどのようなところにバリアを感じるのか知り、一人一人が配慮や思いやりの心を持って行動することが大切です。
■九州共立大学アダプテッド・スポーツ研究部の皆さんが町と大学の地域連携事業の一環として参加してくれました。
■障がいのある人が直面する4つのバリアの例
1 物理的バリア
・路上の放置自転車
・ホームと電車の隙間
・座ったままでは届かない位置にあるボタン
2 制度的バリア
・障がいが理由で受験を制限される
・理解が不十分で補助犬の入店を拒否される
3 情報的バリア
・音声のみのアナウンス
・手話通訳のない講演会
・視覚情報に頼ったパネル式の操作盤
4 意識的バリア
・無理解により奇異な目で見られる
・かわいそうだと決めつけられる
障がいのある人にとって、外出したり、趣味を楽しんだりする際に立ちはだかるバリア。社会活動への参加がバリアで制限されると、自立促進や生きがいを得る機会が減り、健康増進やリハビリテーションも進みません。
また、バリアフリー社会の実現のためには、地域の人が障がいのある人と交流することで理解を深める機会も必要です。
9月28日に遠賀コミュニティーセンターで、障がいのある人が気軽にスポーツを楽しむことができるように配慮して開催された、パラスポーツ遠賀大会(遠賀郡身体障がい者福祉連合会主催)を取材してきました。
大会には、在宅で生活する身体障がいのある人を中心に支援者や家族、ボランティアスタッフなど約100人が参加。
競技種目は力の差による影響が少ない「ボッチャ」と「フライングディスク」で、ボランティアスタッフとして、九州共立大学アダプテッド・スポーツ研究部の学生やボランティア連絡協議会、遠賀信用金庫の職員などが参加し、障がいのある人が競技しやすいように補助しながら、声かけや応援、時には一緒に競技へ参加して交流を深めていました。
今回のように、障がいの有無に関わらず参加できる活動が増えていくと、誰もが暮らしやすいバリアフリー社会の広がりにつながっていきます。
■アダプテッド・スポーツとは
障がいの有無、年齢、性別、体力などに関わらずルールや用具を工夫(アダプト)することで誰でも楽しく安全にできるスポーツのことです。
■大会の様子
▽ふれあいレクリエーションと準備体操
学生ボランティアスタッフによる、ゲーム方式で楽しみながら手先を動かすふれあいレクリエーションと座ったままでもできる準備体操で、体と心をほぐします。
▽フライングディスク
的の輪にディスクを投げ入れると得点GET!
コツをつかみ、連続で入れる人もいましたよ。
▽ボッチャ
白いボールに近づけることを目指して投球!みんなでどのボールが近いか確認して勝敗を決めます。
■参加した人にインタビュー
▽佐々木慶一郎さん 選手
初めてボッチャをしました。もっとこんなイベントがあれば障がいがあっても気兼ねなく参加できますね。
▽九州共立大学 渡部凛さん 学生ボランティア
大会と聞いて勝敗を重視するのかなと思っていましたが敵味方関係なくみんなで応援し、良いプレーが出ると盛り上がりました。
▽麻生榮子さん 選手
外出するいい機会になりました。年齢や障がいなどに関係なくできるスポーツだったので良かったです。
▽九州共立大学 花田 道子先生 ボランティア
スポーツを通してみんなが楽しめるって素敵ですね。もっとみんなに知ってほしいです。
問い合わせ:障がい者支援係
【電話】093-293-1296
