文化 4/26 受け継がれる伝統の舞 大内田神楽

370年もの歴史を有する伝統芸能・大内田神楽の演舞が大内田研修センターで披露され、地元住民や子ども連れの家族、カメラを構えたファンなど、多くの来客が会場を訪れました。

「家が3件になるまで続けよ――」大内田神楽(おおうちだかぐら)の歴史は江戸時代(1655)に始まります。牛馬の疫病に苦しめられた当時の村人が、無病息災・天下泰平を願って始めたのがきっかけでした。地元保存会の手により伝統は今に伝えられ、毎年4月の最終土曜日に演舞が披露されています。

大内田神楽は鬼が登場する演目に代表されるように、きらびやかな衣装をまとった舞い手が身を翻しながら舞い上げる、力強くも華麗な演舞が特徴です。米を用いた舞や、神々が争い合う物語など、演目は多種多様。本番では1人が3〜4役を担い、太鼓や笛役も何度も交代しながら、19時から3時間にわたって舞い続けました。

舞い手が自分なりの「色」を見せる姿も見どころの一つ。足運びや腰づかいなどの細かな所作は、演じる人によって独自の個性が出るのだとか。笛や太鼓、他の舞い手たちと息を合わせながら、即興で演じる時もあるといいます。

大内田区にゆかりがあるメンバーで構成される保存会は現在10代〜40代のメンバーが中心。会長の中村圭光(なかむらよしみつ)さんは伝統芸能を受け継ぐべく、次世代の担い手を探しています。

▽KBC「ふるさとWish」出演
TV・ラジオ・Webで赤村の魅力を発信する「ふるさとWish」に大内田神楽が取り上げられました。

▽風治八幡宮でお披露目
初夏の恒例行事「夏越祭」で大内田神楽が出演し演舞を披露します。
とき…7月26日(土)
ところ…風治八幡宮(田川市)

▼大内田神楽 演目の流れ(抜粋)
[1]米をまいて場を清める「四方の舞」
8畳の舞台の東西南北に米をまき、悪霊を退散させるという舞。赤い狩衣(かりぎぬ)をまとい舞うのはメンバー最年少の平野湊翔(ひらのみなと)(7歳)さん。

[2]4人が袖を翻して舞う「花神楽」
左手に扇を、右手に御幣(ごへい)(2本の紙を木の串に挟んだもの)を持ち、4人の舞い手が天上から神さまを招き降ろすという舞。

[3]5人で魅せる剣の舞「地割(じわり)」
四季を表す神々(木・火・金・水)に対して不満を持った「土」の神が乱入し、剣を振るって争い合う、という演目。

[4]鬼が子どもたちを抱き上げる「前御神先(まえみさき)」
神主と戦う鬼が子どもを抱えて大暴れする演目。抱かれた子どもは元気に育つ、という言い伝えから子ども連れがこぞって集まる。

[5]米を落とさぬように舞う「盆神楽」
神に奉じる2枚の盆に盛られた「洗米」を両手に持ち、1粒も落とさないよう気を付けながら跳躍を繰り返す演目。

[6]おなじみの日本神話を描く「岩戸神楽」
岩戸に隠れた天照大御神(あまてらすおおみかみ)をどうにか外に出し、世界に光を取り戻す、という物語。タスキを身に着けた力持ちの神が岩戸をこじ開ける。