くらし 【人権教育No.337】ともに生きる

■「みせたい景色」
6月、地域の子どもたちと田植えをしました。水を張った田んぼに歓声をあげる子、泥の感触に顔をしかめる子、泥遊びに夢中になる子、みんなの表情は輝いていました。秋には稲となり、やがて収穫を迎えます。この美しい田園風景と新米を囲む食卓を、未来を担う子どもたちへ繋いでいきたいと願っています。
私が子どもの頃に親しんだ「日常の風景」は、少しずつ姿を変えつつあります。特別じゃないけれど、心に残る大切な記憶。それこそが「豊かさ」なのかもしれません。この「豊かさ」を守り育てることは、9月のSDGs(持続可能な開発目標)月間が教えてくれる「持続可能な社会」に深く関わります。SDGsは、より良い未来をみんなで作るための世界共通の大きな目標です。地球環境を大切にすること、自分らしく生きられる社会を作ることなど、たくさんの目標があります。自然とともに生きる暮らし、これらを大切にすることが「誰一人取り残さない」というSDGsの大事な考え方につながります。
私には、子どもたちにみせたい景色があります。味わってほしい季節の恵みがあります。私たち一人ひとりが毎日の暮らしの中で「何を大事にしたいか」を意識して行動することで、守れるものがあります。便利な生活の中で忘れがちな、本当に大切なものに、もう一度心を向けてみませんか。子どもたちの輝く笑顔のために。

社会教育指導員 宮下法子(みやしたのりこ)