文化 郷土の文化財

■遺跡余話『何の骨?』

写真(1)は、牧島保育園の近くにある縄文時代後期の宮ノ前北遺跡で出土した動物の骨です。何の骨だと思いますか。
この骨が出土したときに、調査担当者は「象の足の骨が出た」と思いましたが、すぐに「時代に合っていない」と否定しました。
前月号でも紹介しましたが、縄文時代以前の旧石器時代は、気温が低かったため、日本でもナウマンゾウなどの大型獣が生息していました。ところが、縄文時代になると、温暖な気候となり、イノシシやウサギ、鹿などの小動物が生息するようになりました。
それでは、縄文時代にいた大型獣とは何なのでしょう。
そうです。クジラです。この骨は肋骨と思われます。捕獲方法については、海岸に打ち上げられた弱ったクジラを獲ったのか、積極的に沖に出て捕鯨を行っていたかは、よくわかっていません。
また、写真(2)の骨も出土しました。これは、クジラの背骨(脊椎骨)の一部(骨端板)です。この骨は土器作りに関係するのですが、その話は、次月号に掲載します。
※写真は、本紙をご覧ください。

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