くらし きらり輝く神埼人(かんざきじん)Vol.1

神埼のまちで、きらりと輝く活躍をされている方達を紹介します。

・特定非営利活動法人
CSOかんざき 副理事長 吉原 俊樹(よしはら としき)さん

◆まちが賑わうきっかけと、人と人のつながりを創る
神埼市のまちづくり活動支援オフィス「神幸館」を拠点に、市民やCSO(社会福祉組織)の活動支援やネットワークづくりを行う「CSOかんざき」。ここは、長崎街道かんざき宿場まつりや神幸食フェスタ、かんざきクリスマスマーケット、隔年開催のみゆき大祭など、地域の代表的イベントの窓口としての役割も果たし、年間約3、000名が施設を利用する地域活動の中心です。
𠮷原さんは「大切なのは、住民自ら『自分たちで何をするか』を考える土台づくり」と話します。大規模な事業を一度に進めるのではなく、小さな試みを積み重ね、日常的なつながりを育むことが持続可能な地域づくりにつながるといいます。毎月開催される「櫛田市いち」は13年以上、162回以上続き、その地道な活動がフェスタやクリスマスマーケットといった大きなイベントへと繋がっています。
近年では若い世代の参加も増え、従来の「担い手不足」という課題にも光が差し始めています。𠮷原さんは「中心市街地は地域の伝統や文化が集約された場所。単なる商店街ではなくまち全体の色を表すもの。その価値を守り、活かしていくことが重要」と語っています。地域の魅力を守りながら、新しいつながりを生み出す取組が、まちの持続可能な発展を支えているのです。
地域に根ざした活動は、日々の暮らしの中で当たり前のように思われがちですが、誰かが声をあげ、仕組みをつくり、実際に動くからこそ成り立っています。CSOかんざきの活動は、暮らしに寄り添い、世代をつなぎ、地域資源をつなぐことで、まちの未来と人のつながりを静かに育てています。小さな一歩の積み重ねが、地域の力を形づくる――そんな地域づくりの実践が、ここには息づいています。