その他 まばゆかひと Vol.77

古賀
仁菜(にな)さん(10歳)
杏奈(あんな)さん(8歳)
実花(みはな)さん(5歳)
(吉野ヶ里町立野)

〇大会入賞歴
仁菜さん
・第15回日本バッハコンクール全国大会銀賞
・2024年ブルグミュラーコンクール福岡ファイナル銀賞
杏奈さん
・第14回日本バッハコンクール全国大会銀賞
・第15回日本バッハコンクール全国大会金賞
実花さん
・第15回日本バッハコンクール全国大会金賞

日本バッハコンクールで地区予選を勝ち抜き、全国大会に出場した3姉妹。長女・仁菜さんがピアノをはじめたきっかけは、テレビの中のピアノが上手な女の子に憧れたことだった。妹たちは仁菜さんの姿を見て、姉と同じく3歳から弾き始めた。
家には2台のピアノがあり、幼稚園が終わると末っ子の実花さんから練習を始める。まだ幼い実花さんは集中力が続かない。それでも休憩を取りながら毎日2時間ピアノに向き合っており、夏にははじめての連弾に挑戦する予定だ。
小学校が終わると、今度は姉たちが練習する番。コンクールが近づくと、ご飯やお風呂以外は練習漬けの日々が続く。
次女の杏奈さんは、練習を通じていろんな曲が弾けるようになることがピアノを頑張る原動力だと言う。楽譜に書いてあることはきちんと調べるという、勤勉家の杏奈さん。コンクールではいつもきれいでクリアな音色にこだわり、曲の情景を思い浮かべながら演奏している。
仁菜さんは、「あなたの演奏を聴いて涙が出た」と言われたことをずっと覚えている。聴く人に最高の演奏を届けるため、息遣いなどの表現力に至るまで先生といつも話し合っている。次の発表会ではショパンの「華麗なる大円舞曲」を弾くことが決まっており、仁菜さん自身もとても楽しみにしているという。
「ピアノが好き?」と尋ねると、声をそろえて「好き!」と答える3姉妹。当然、夢は「ピアノの先生」かと思いきや、末っ子の実花さんだけは「アイドル」とはにかんだ。
今日もまた、3人が自分で決めたそれぞれの目標に向かって、楽しくも挑戦する日々が始まっている。